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涼しい時期でも油断しないで! 猫の「夏バテや熱中症」の危険がある3つのシーン

暑い時期は、猫も体がだるくバテてしまうことがあります。暑さのピークが過ぎて過ごしやすくなる時期でも、油断は禁物。少し涼しくなって油断している時期だからこそ、思わぬところで猫が夏バテや熱中症になってしまうこともあるのだそうです。

今回、ねこのきもち獣医師相談室の先生が解説します。

猫の夏バテとは?

眠る猫
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夏バテとは、生活環境の温度の上昇に伴い体が暑熱ストレスを受けることで、体の機能に悪影響が見られる状況を指します。

熱中症のように、体温が生命の維持に危険なレベルまで過剰に上昇している状況ではないものの、暑さが続いて程よい体温を保ちにくい状況が続くことで、体全体に徐々に負担がかかります。

猫が夏バテしているときの症状

くつろぐ猫
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夏バテの実際の症状としては、倦怠感や食欲不振、元気のなさなどの症状が見られやすくなります。さらに、嘔吐や下痢など明らかな消化器症状や、元々患っていた病気の悪化などが起こる場合も。

生き物の体は、その生き物に適した温度が保たれていないと、正常に機能しません。取り込んだ栄養の代謝や、不要なものを分解し排出する仕組み、また消化器の運動など、元々体に備わっていて生きていく上で必要不可欠なさまざまな機能は、適切な温度が保たれていない状況だと、その働きが普段よりも弱まってしまう場合があります。

その結果として、さまざまな症状が見られるようになります。

涼しい時期でも油断しないで! 猫の夏バテや熱中症に注意したいシーン

見つめる猫
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夏から秋の季節の変わり目でも、夏バテや熱中症に注意したほうがよいでしょう。たとえば、次のような3つの状況ではとくに気をつけて見てあげてください。

①日中の時間帯に、猫を留守番させるとき

初夏(5、6月)や秋(9月、10月)は真夏ほどの気温でなくても、室内の環境によっては室温が30℃を超えてしまう場合があります。

「窓を開けているから」「短時間だけだから」と油断せず、飼い主さんの不在時はとくに注意してください。

②エアコンが効いた環境からの変化による不調

くつろぐ猫
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エアコンが効いた涼しい環境にばかりいる猫は、エアコンを止めたときに温度差が原因で30℃の室温でも夏バテになってしまうことがあります。

猫が環境に慣れやすいよう、エアコンを止める前に28~30℃くらいの少し高めの室温に慣れさせておいたり、窓を開けて部屋の風通しをよくするなどの対策をしましょう。

③高齢猫などの長時間の日向ぼっこ

窓辺で日向ぼっこをするなど日の当たる場所に長時間いたり、たくさん日を浴びた後に、猫が体調を崩してしまうことがあります。

猫は暑くなったら自分から移動しますが、高齢の猫などは関節の痛みなどから動くのが億劫になり、その場に居続けた結果、夏バテのような症状になることもあります。

高齢猫が日向ぼっこをしているときは、ときどき様子を見てあげて、異変があればすぐに気づけるようにしましょう。

猫に夏バテの症状が見られるときの対処法

眠る猫
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愛猫に気になる症状がある場合は、まずは室内を今までよりも-1~3℃度程度、涼しく保つ対応から始めましょう。

その環境で丸一日以上経過しても体調の改善が見られないようなら、単なる夏バテではなく体調不良の可能性を考えます。かかりつけの動物病院を受診して相談しましょう。

愛猫の体を冷やすために、冷たい水を飲ませてもいい?

体を冷やす目的で冷たすぎる水やフードを与えるのは、あまりおすすめしません。

かえって消化器に負担をかけてしまうこともあるので、食事の温度は基本的には常温、もしくは軽く温める程度が好ましいです。

また、いつもより冷たい水を与える際にも、常温の水も併せて用意しておくなどの配慮が大事です。

飼い主さんができる「猫の夏バテ予防法」

口をあける猫
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夏バテの予防策としては、生活環境全体の適切な温度管理と、愛猫がそのときの体調や気分によって選べる居場所づくりが大切です。

室温の管理について

まず、室温の管理はエアコンなどを用いてしっかり一定に保つようにしましょう。部屋の構造にもよりますが、室温が26~28℃くらいの心地よい温度になるように整えてください。

室内を程よく涼しい温度に保つことで、暑熱ストレスは軽減できる場合が多いです。

居場所づくりについて

段ボールに入る猫
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室温を程よく涼しくしたうえで、愛猫の好みや体調に対する心遣いとして、愛猫の気分によって選べる居場所を用意するとよいでしょう。

たとえば、エアコンの風が苦手な愛猫に対しては、エアコンの風を直接受けないような「隠れ場所」を整える方法があります。

程よい大きさの段ボール箱やドーム型ベッドなどを用意し、その入り口をエアコンの反対側に向くよう設置してあげるとよいでしょう。

エアコンのない部屋で過ごすのが好きな猫への対策

くつろぐ猫
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エアコンからやや離れた場所や部屋などに、愛猫がくつろぐ居場所がすでにある場合もあるでしょう。室温の管理と並行して、そこの居心地をよくする工夫も実施するとよいと思います。

たとえば…

  • 保冷材の代わりに水を入れてから凍らせたペットボトルなどをタオルで包んだものを用意し、愛猫の居場所のそばにおいて涼を取れるようにする
  • ひんやりする素材のマットやクッションを用意してあげる

といった対応もよいでしょう。

エアコンが効いている部屋でも暑熱ストレスや熱中症のリスクがあるので注意

見つめる猫
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なお、エアコンが効いている室内でも、窓から直射日光が入るような環境だと、暑熱ストレスや熱中症のリスクがあります。

強すぎる日差しは、カーテンやすだれ、よしずなどで遮って和らげる工夫をするのがおすすめです。
見つめる猫
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暑い時期だけに限らず、夏バテや熱中症は意外なところで起きやすいです。猫が体調を崩さないよう、季節の変わり目には室内の環境に目を向けましょう。

飼い主さんも愛猫も心地よく過ごしやすい環境を整えながら、日々を過ごしてほしいと思います。
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
取材・文/柴田おまめ
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