猫と暮らす
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涼しい時期でも油断しないで! 猫の「夏バテや熱中症」の危険がある3つのシーン
今回、ねこのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
猫の夏バテとは?
熱中症のように、体温が生命の維持に危険なレベルまで過剰に上昇している状況ではないものの、暑さが続いて程よい体温を保ちにくい状況が続くことで、体全体に徐々に負担がかかります。
猫が夏バテしているときの症状
生き物の体は、その生き物に適した温度が保たれていないと、正常に機能しません。取り込んだ栄養の代謝や、不要なものを分解し排出する仕組み、また消化器の運動など、元々体に備わっていて生きていく上で必要不可欠なさまざまな機能は、適切な温度が保たれていない状況だと、その働きが普段よりも弱まってしまう場合があります。
その結果として、さまざまな症状が見られるようになります。
涼しい時期でも油断しないで! 猫の夏バテや熱中症に注意したいシーン
①日中の時間帯に、猫を留守番させるとき
「窓を開けているから」「短時間だけだから」と油断せず、飼い主さんの不在時はとくに注意してください。
②エアコンが効いた環境からの変化による不調
猫が環境に慣れやすいよう、エアコンを止める前に28~30℃くらいの少し高めの室温に慣れさせておいたり、窓を開けて部屋の風通しをよくするなどの対策をしましょう。
③高齢猫などの長時間の日向ぼっこ
猫は暑くなったら自分から移動しますが、高齢の猫などは関節の痛みなどから動くのが億劫になり、その場に居続けた結果、夏バテのような症状になることもあります。
高齢猫が日向ぼっこをしているときは、ときどき様子を見てあげて、異変があればすぐに気づけるようにしましょう。
猫に夏バテの症状が見られるときの対処法
その環境で丸一日以上経過しても体調の改善が見られないようなら、単なる夏バテではなく体調不良の可能性を考えます。かかりつけの動物病院を受診して相談しましょう。
愛猫の体を冷やすために、冷たい水を飲ませてもいい?
かえって消化器に負担をかけてしまうこともあるので、食事の温度は基本的には常温、もしくは軽く温める程度が好ましいです。
また、いつもより冷たい水を与える際にも、常温の水も併せて用意しておくなどの配慮が大事です。
飼い主さんができる「猫の夏バテ予防法」
室温の管理について
室内を程よく涼しい温度に保つことで、暑熱ストレスは軽減できる場合が多いです。
居場所づくりについて
たとえば、エアコンの風が苦手な愛猫に対しては、エアコンの風を直接受けないような「隠れ場所」を整える方法があります。
程よい大きさの段ボール箱やドーム型ベッドなどを用意し、その入り口をエアコンの反対側に向くよう設置してあげるとよいでしょう。
エアコンのない部屋で過ごすのが好きな猫への対策
たとえば…
- 保冷材の代わりに水を入れてから凍らせたペットボトルなどをタオルで包んだものを用意し、愛猫の居場所のそばにおいて涼を取れるようにする
- ひんやりする素材のマットやクッションを用意してあげる
エアコンが効いている部屋でも暑熱ストレスや熱中症のリスクがあるので注意
強すぎる日差しは、カーテンやすだれ、よしずなどで遮って和らげる工夫をするのがおすすめです。
飼い主さんも愛猫も心地よく過ごしやすい環境を整えながら、日々を過ごしてほしいと思います。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
取材・文/柴田おまめ
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