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人の場合とは違う⁉ 猫の「口内炎」が要注意な理由|獣医師解説
この記事では、猫の口内炎について、ねこのきもち獣医師相談室の白山さとこ先生が解説します。
猫の口内炎とは?
「猫の口内炎はいわゆる人の口内炎とは異なり、治りにくく激しい症状や痛みが引き起こされます。食事が困難になったり、全身状態の悪化につながることもあるため、注意が必要です。場合によっては、生涯にわたって付き合っていかなくてはならないこともあります」
「はっきりとした原因がわからないことも多いのですが、具体的には…
- ウイルス感染や歯周病から波及
- 猫自身の免疫や体力の低下
- 免疫異常
「たとえば…
- もともと外に出ていた猫
- 猫風邪にかかったことのある猫
- 歯周病になっている猫
- 腎不全などで体力や免疫力が低下している猫
猫の口内炎の症状とは?
「はじめは、『口を気にする様子が見られる』『口周りが汚れる』『口臭がきつくなる』『ドライフードを食べたがらない』などの変化が見られます。
悪化してくると痛みが強くなるため、『食欲がなくなる』『水も飲まなくなる』といった様子も。元気もなくなり、じっとしていることが多くなります」
猫の口内炎の治療とは?
「口内炎の治療は、基本的には対症療法を中心に行います。比較的症状が軽い場合は、まず口腔環境を清潔にし、痛みや炎症がある場合には抗生剤やステロイド剤などを使って、それらをやわらげていきます。軽症の場合には短期間の治療で改善することも期待できます。
ウイルス感染が疑われる場合には、ウイルスを抑えるために、インターフェロンの投与や塗布を行うこともあります。
重症化している場合は、全身麻酔をした上で、炎症がひどい部分の歯やすべての歯を抜くことがあります。この抜歯治療が有効な場合もありますが、必ずしも完治するとは限りません」
猫の口内炎の予防法は?
「絶対に有効という予防法はありませんが、細菌の温床となる歯垢・歯石の付着をデンタルケアで防ぐことはとても重要です。また、日頃から口腔内を確認することで、口内炎を初期の段階で発見でき、ひどくなる前に治療してあげることもできます」
※写真はアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」にご投稿いただいたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/柴田おまめ
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