猫と暮らす
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猫が朝早くに飼い主を起こしにくる理由や対処法は? 獣医師が解説
猫が朝早くに飼い主を起こす理由は?
白山先生:
「その行動には、猫の『薄明薄暮性』という行動パターンが関係しています。猫が薄暗い明け方や夕方などに活発に行動しやすいのは、野生時代からの習性によるものです。薄暗い時間帯は獲物である小動物などの動きが鈍くなるので、捕まえやすかったのでしょう。
また、猫は『こうするといいことがある』と学習すると、その行動を繰り返し行います。お腹が空いたときに飼い主を起こしてゴハンがもらえたら、『起こせばゴハンがもらえる』と学習し、早朝でも起こしにくるようになります」
愛猫に朝早く起こされたときはどうすればいい?
白山先生:
「この場合は、猫が何を求めて起こしにくるのか理解することが大切です。
ゴハンがほしいという要求の場合、自動給餌器を利用する、朝早くお腹が空かないよう夜遅い時間に食事を与える、寝る前に多めにフードを置いておくなどの対処法が効果的。
トイレをきれいにしてほしいという要求の場合は、トイレの数を増やす、システムトイレを利用するなどの工夫がいいでしょう」
――愛猫が遊んでほしくて起こしにくる場合はどうでしょうか?
白山先生:
「朝早くに要求されないよう、昼間に十分に遊んであげる時間をとってあげましょう。『遊んでほしい』『甘えたい』なども、猫にとっては当然の要求です。愛猫と上手にコミュニケーションをとるようにしましょう」
――猫が飼い主を起こそうと、噛んだり舐めたりしてくる場合はどうすればいいでしょうか?
白山先生:
「基本的には反応せずに無視するのが一番。一度でも反応があると、猫は『こうすると飼い主がかまってくれる』と学習してしまいます。布団をすっぽりかぶってやり過ごす、寝室に猫が入れないようにするなどの対応がいいでしょう」
愛猫が急に起こしにくるようになった場合は?
白山先生:
「急にそうした行動が見られる場合には注意が必要です。猫は不安やストレスを感じると、飼い主を起こすようになることがあります。また、ホルモンの病気の影響で食欲旺盛になったり活発になったりして、頻繁に起こしにくることも考えられます。
たとえば食欲があるのに痩せてきた、落ち着きがなく攻撃的、目がぎらついているといった変化が見られたら、愛猫の体調や行動、生活環境に変化がないかよく観察をしてあげましょう。もし気になることがある場合は、獣医師に相談してください」
――ありがとうございました。
取材・文/松本マユ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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