猫が心地よい距離感
猫は本来、成長すると母猫と離れて単独行動を始めます。そのため、自分自身で身を守る必要があることから、ちょっとした環境の変化にも敏感に反応します。特に飼い始めたばかりの猫なら、警戒心から飼い主さんとも距離を置こうとすることも珍しくありません。そんなときにに大切なのは、適度な「距離感」を置いてあげることです。猫を愛でたい気持ちも分かりますが、まずはそこをぐっとこらえ、そっとしておいてあげるのも愛情表現のひとつです。
何をするにも、ほどほどに。
お客さんが大勢訪問し、にぎやかな環境になるのは猫にとっては怖いものです。そんなときは、猫のペースを尊重しましょう。無理に輪に入れようとするのではなく、猫が落ち着いて避難できるスペースを作ってあげてください。
また、猫は本来単独で暮らす生き物なので、1匹で過ごす時間も大事。飼い主さんが外出して猫と離れる時間ができれば、帰ってきたときの喜びも感じてくれるはず。そして、猫と遊ぶ時は、ほどほどで辞めるのも大切です。これは、猫に遊ぶことを飽きさせないための心づかいです。遊びをストップする目安は、猫の鼻や肉球の色でわかります。猫は興奮してくると鼻や肉球が赤くなるので、赤くなりすぎる前に一度遊びをストップしましょう。
少しずつ距離を縮めよう
個体差はあるものの、突然近寄って撫でようとすると、猫を怖がらせてしまいます。まずは、イチャイチャできるようになるまで、徐々に距離を縮めましょう。
お近付きの印。まずは猫式あいさつで。
猫が近づいて来たら、いきなり触れるのではなく、まずは飼い主さんの手の匂いをそっと嗅がせます。このとき、手のひらを正面に出すのではなく、指などを嗅がせると良いでしょう。猫同士もお互いの匂いを嗅ぎ合い、情報交換をします。飼い主さんも猫式に「自己紹介」することで、猫は安心感を得るようになります。
おもちゃ遊びはこんな風に
おもちゃ遊びは、猫の狩猟本能を刺激します。そのため、狩りに近い遊びをすると、猫はワクワクしやすい傾向にあります。たとえば、猫じゃらし系のおもちゃの場合、猫の前で動かすだけではあまり反応してくれません。ポイントは、本物の獲物が動いているように、おもちゃの動きに緩急をつけ、猫に近付けたり遠ざけたりして、すぐには捕まえられないように焦らすこと。最終的にはおもちゃを捕まえさせてあげることで、猫は満足するでしょう。
アイコンタクトにもコツがある!
もし猫と目があったら、じーっと見つめて目を離したくなくなるでしょう。しかし、猫からしたらこれは逆効果。実は「喧嘩を売られている!」のと同じように感じてしまうのです。
ゆっくりまばたきで「愛」を伝える
猫とのアイコンタクトで重要なのは、目をじっと見つめないことです。目を合わせるときは、じっと見るのではなくゆっくりとまばたきをしてみましょう。特に、日向ぼっこ中などで猫がくつろいでいるときが効果的。そーっと近付いて優しくまばたきしてみましょう。
猫は、基本的に視線を合わせることを嫌いますが、慣れてくると飼い主さんに「見つめてアピール」をしてくることがあります。猫の方から飼い主さん視線を送ってきたら、軽く目を合わせてあげると、猫は「飼い主さんに伝わった!」と喜んでくれるでしょう。
一筋縄では距離が縮まらないのも猫の可愛いところ。「相手をする=愛情」だけではないことを意識して、猫が心地よい距離感を尊重してあげましょう。構いすぎない愛情が、きっと猫にも伝わりますよ♪
出典/「ねこのきもち」16年9月号『目づかい・手づかい・心づかい』
文/kate
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。