愛猫がどういうときにうれしいと感じているのか、一緒にいる飼い主さんなら何となくわかってくるものですが、どれくらい喜んでいるかはわかりにくいことも。今回は、特に大きく喜びを表している行動について、人にたとえてイラストで解説します。
新しいおもちゃに目を輝かせる!
S・Mさんのお宅の虎太郎くんは、新しい羽根のおもちゃがお気に入り。飼い主さんが袋から出すと同時にヒゲがぐいっと前に動き、キラキラと目を輝かせるそうです。普段はおとなしい性格の虎太郎くんも、このおもちゃで遊ぶときだけ“別猫”のようになるのだとか。
猫のヒゲが前を向くというのは、対象への興味・関心の表れです。普段おとなしい性格の猫のヒゲが動くだけでも充分よろこんでいるといえますが、さらに目も輝かせているということで、隠しきれないくらいの興奮状態なのでしょう。
この行動を人にたとえると?
この様子を人にたとえると、おもちゃの新シリーズが展示されているのを、子供が興奮して食い入るように見つめている状態に近いといえます。
同居猫にくっついている
M・Kさんのお宅のデイジーちゃんは、同居猫のティモくんのことが大好きで、狭いところにいるときも自分からくっつきに行き、さらには、ティモくんの毛づくろいまで夢中でやっているそうです。ティモくんのほうも、嫌がりながらも受け入れている様子。
猫同士が距離を縮めることは好意がないと成り立たないので、くっつくことによって温まりたいという気持ちだけでなく、ティモくんに触れたいという気持ちが表れています。また、毛づくろいというのは親猫が子猫を落ち着かせるためにする行動なので、「安心・温かい・大好き」という3種類の気持ちによって、かなりうれしい様子だといえるでしょう。
この行動を人にたとえると?
これは、飼い主さんが湯たんぽがあっても“猫肌”を求めて、愛猫にくっついて寝るときに近い行動でしょう。
「寝るよ」の合図でしっぽを立ててやってくる
アメリカンカールのいちごくんは、2才になったころからR・Sさんの旦那様と一緒に寝るようになったそうです。旦那様が「寝るよ」と声をかけると、しっぽをピーンと立てて隣に来るようになり、撫でられると目を細めるのだとか。自然とその流れがお決まりになり、一緒に寝ているうちに寝姿まで似てきたようですよ!
猫がしっぽを立てるのは、甘えや期待などの意味があります。この場合、声をかけられたことに対してのうれしさと、一緒に寝られるという期待が混ざった気持ちでしっぽを立てているようです。撫でられて目を細めている様子も、うれしさの表れでしょう。
この行動を人にたとえると?
この行動は、お母さんに呼ばれて「はーい!」と返事をして布団に入った小さい子供が、体をポンポンされながら眠りにつく様子に似ています。
このように、猫の喜ぶ様子から、どれだけうれしい気持ちなのかがわかります。気持ちを想像しながら接して、愛猫との距離をもっと縮めましょう!
参考/「ねこのきもち」2017年11月号『期待する様子や喜ぶしぐさでわかる レベル別 猫の「うれしい!」を人にたとえてみたら…』(監修:哺乳動物学者 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長 今泉忠明先生)
イラスト/ヤマサキミノリ
文/AzusaS