猫の腸の乱れで起きる病気や症状とは?
<炎症性腸疾患>
炎症性腸疾患にかかると、腸内の細菌が変化し、腸の内側の粘膜が炎症を起こすことで、主に嘔吐や下痢などの症状が表れます。近年の内視鏡を使った病理検査の高度化により、これまでに比べて見つかりやすくなりました。食欲不振や体重が減少するケースもあるため、抗炎症剤を投薬し、症状を見ながら食事管理を行います。
<便秘>
便秘は、猫が比較的陥りやすいと言われている症状のひとつです。猫によって排便の回数は違いますが、2日以上排便がない場合は便秘の疑いがあります。便が腸内に溜まってしまうと自力での排出できなくなってしまうので、排便時に異常に力んでいる様子などが見られたら動物病院に相談しましょう。
<巨大結腸症>
結腸とは盲腸や直腸以外の大腸のことを指しており、日々の便秘が続くと便がどんどんたまってしまい、大腸が広がって詰まることで、巨大結腸症が引き起こされます。軽症の場合は食事改善や定期的に下剤を使うことで溜まった便を排出させられますが、重症化すると全身麻酔をかけて肛門から便をかき出すので、愛猫の身体に多大な負担がかかってしまいます。
食事で腸の病気を予防しよう!
<食事の回数に注目>
腸のバランスを整えるためには、食事回数に気をつけなければなりません。一気食いは腸が乱れてしまうので、1日の食事は2回から3回に分けて食べさせるようにしてください。食事回数が増えることで猫の満足度が増し、おやつへの欲求が薄れるので肥満対策にもなります。
<整腸おススメフード>
腸内の細菌バランスをより良く整えるためには、高消化性の原材料を使用したフードを与えるのもひとつの手です。療法食として動物病院でのみ取り扱っている場合が多いので、与えたい場合はかかりつけの獣医師に指示を仰ぎましょう。療法食までいかなくても…という方は、動物病院によっては猫用の整腸サプリメントを取り扱っているところもあります。あわせて獣医師に相談してみましょう。
整腸維持の3ポイント!
1. 十分な水分補給を!
祖先が砂漠地帯で暮らしていたことが起因して、猫はあまり水を飲みません。そのため、便秘になりやすい傾向にあります。水飲み場を複数個所に分けて喉が渇いた時すぐに飲めるようにしたり、ウェットフードなど水分を多く含んだフードに変えてみたりと工夫をしてみましょう。
2. こまめに便のチェックを!
便は猫の腸内環境を教えてくれる大切なヒントです。トイレを掃除する時などには、猫の便の色や形状を観察し、異変を感じた場合は早めに受診することをおすすめします。ただし、便の状態は与えるフードによっても変わるので、フードを変えた直後は少し様子を見てみましょう。
3. 運動で腸に刺激を!
運動不足も、腸の動きが鈍くなる原因の一つです。特に室内飼いの猫は、身体を動かす機会が少なくなりがちなので、積極的に遊ばせるようにしましょう。適度にじゃらしおもちゃを使って遊んだり、垂直置きの爪とぎで運動させたりすることで、腸の動きを活発化させるだけでなく、肥満解消にもつながります。
以上、愛猫を腸の病気から守るための予防対策をご紹介しました。腸の調子を整え、免疫力のある健康な身体作りを目指しましょう!
出典/「ねこのきもち」16年10月号『超スゴイ腸を整えよう』
文/aiko
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。