そもそも「粘膜」って何?
猫の体の中には、「粘膜」と呼ばれる部分がありますが、具体的にどの場所を指すかわかりますか?簡潔に言うと、粘膜とは体の湿っている部分。体の中で分泌液で湿っている部分が粘膜です。基本的には人間と一緒ですね。粘膜は体内の臓器だけでなく、飼い主さんが目視できる鼻や目など目に見える部分にもあります。
具体的にはどこが「粘膜」なの?
猫の体における、具体的な粘膜の箇所をご紹介します。
目…瞼の裏や、涙で潤っている眼球部分。
鼻…鼻の穴の奥。薄い粘膜があります。
耳…鼓膜より奥にある「中耳」と「内耳」に粘膜があります。飼い主さんの目で確認することはできません。
口…歯茎・舌・頬の内側など、湿っている部分。
首から上は、思いのほか粘膜部分が多いのがわかりますね。粘膜で覆われている部位は、どれも猫の五感を担う大切な器官。特に猫はニオイに敏感なので、鼻のトラブルには要注意です。
「粘膜」に関する疑問にお応え!
粘膜の働きは?
粘膜は主に外から入ってくる異物をシャットアウトする働きをしています。ここで言う異物とは、ウイルスや病原菌、ごみや花粉などのこと。目にごみが入れば涙を出して洗い流し、鼻に花粉が入れば鼻水を出して撃退する。こういった方法で、猫の体を異物から守ってくれるのです。
粘膜は湿っていた方が良い?
粘膜は基本的に湿っていますよね。上の項で紹介した通り、粘膜は湿っているからこそ最大限の働きをしてくれます。粘膜が乾燥していると分泌液が減ったり炎症を起こしたりして、十分に機能しなくなるおそれがあります。冬をはじめとする乾燥する季節は、加湿器などで適切な湿度を保ってあげてください。
「粘膜が弱い」ってよく聞くけど、どういう意味?
「粘膜が弱い」とは、「粘膜の機能が落ちている」ということ。粘膜のバリア機能が低下していると思ってください。粘膜が弱くなる原因は多々あります。
・生まれつき粘膜が弱い。
・風邪などで免疫力が低下している。
・粘膜が乾燥している。
見た目ではよくわからないので、なんか変だなと思ったら、かかりつけの獣医さんに相談してくださいね。
春先に粘膜に症状が現れる病気が多くない?
「春先になると、猫が体調をよく崩している気がする」と感じている飼い主さんも多いのではないでしょうか?春先は寒暖差が酷く、空気も乾燥しがち。免疫力が落ちたり、粘膜が乾燥したりすることで、粘膜に症状が出る病気にかかりやすくなるのです。
猫の健康に直結する「粘膜」は乾燥に弱く、また免疫力が低下することでも不調をきたす場合があります。日頃から愛猫の体調を観察して、体調が悪そうだなと思ったらすぐに対策をしてあげましょうね。
出典/「ねこのきもち」2017年3月号『粘膜に症状が現れる病気』(監修:王子ペットクリニック院長 重本仁先生)
文/higarina
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。