猫の顔まわりに異常が起きていると、目ヤニやあごニキビなどさまざまな症状があらわれます。異変にいち早く気づくためにも、猫の顔をマッサージしているときなどに、各部位の健康チェックも行いましょう。今回は、猫の顔まわりの健康チェック方法について解説します。
目のチェックポイント
涙の量は多くないか
涙で下まぶたがぬれているようなときは、アレルギーや目が傷ついていることなどが考えられます。また、涙の量が多いと、涙焼けや目のまわりの皮膚病の原因にもなります。
白目が赤・黄色になっていないか
白目の部分が赤い場合は炎症や感染症が、黄色い場合は肝臓の異常から起こる黄疸が疑われます。ふだんから目の色を見ておくと、病気の早期発見につながります。
目ヤニがついていないか
目ヤニはとくに目頭や下まぶたにつきやすいので、気づいたらやわらかなコットンでさっとふき取りましょう。なお、緑や黄色の目ヤニは、細菌感染が疑われます。
口のチェックポイント
歯石がついていないか
歯垢や歯石は歯周病の原因になります。とくに歯と歯茎の境目は、歯石がたまりやすい場所です。猫に口を開けさせるのは難しいですが、気をつけながら口の中を見てみましょう。
歯茎が赤くなっていないか
歯茎は通常ピンク色ですが、赤くなっている場合は歯肉炎を起こしている可能性があります。歯茎が赤くなる症状は、とくに猫エイズのキャリアやシニア猫、免疫力の落ちた猫に多く見られます。
くちびるが赤くなっていないか
くちびるが赤い場合は、皮膚病にかかっている疑いがあります。また、歯周病の影響で噛み合わせが悪くなり、歯がくちびるに当たって炎症を起こしていることも考えられます。
耳・鼻・あごのチェックポイント
耳アカが出ていないか
皮脂(耳アカ)の量が多い場合や、耳から強いニオイがする場合は、外耳炎や中耳炎などの疑いがあります。とくに折れ耳の猫は通気性が悪く、皮脂がたまりやすい傾向にあるので、注意してチェックするようにしましょう。
なお、皮脂は耳介に多少ついているくらいなら問題ありません。コットンでふき取りましょう。
鼻汁が出ていないか
生理現象として一時的に鼻水が出ることはありますが、黄色や緑色の鼻汁が出ている場合は、猫カゼなどの感染症の疑いがあります。くしゃみを併発することも多いです。
あごニキビができていないか
あごにゴマ粒のような黒いブツブツがあったら、専門的に「ざそう」といわれる、「あごニキビ」の可能性大。皮脂の過剰な分泌で毛穴がふさがれ、黒く見えています。
日ごろから健康チェックをしておくことが、愛猫の健康を守ることにつながります。今回ご紹介した内容を参考に、猫の顔まわりの健康状態をしっかりチェックして、異常が見られる場合はすぐに動物病院に相談するようにしましょう。
参考・写真/「ねこのきもち」2024年9月号『“ながらチェック”も! 残暑に負けない ツボ押し 猫のフェイスマッサージ』(監修:東小金井ペット・クリニック院長 獣医中医師 青沼陽子先生、東小金井ペット・クリニック勤務 獣医師 獣医中医師 ペット栄養管理士 ペット食育士1級 一般診療、軟部外科、鍼灸担当医 田原綾香先生)
文/宮下早希
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