特に持病を抱えていない猫でも、突然重い病気を発症することがあります。今回は、すぐに受診する必要がある危険な症状や、愛猫が急に体調を崩した際、慌てないためにやっておきたいことなどを、獣医師の重本仁先生と愛玩動物看護師のいしまるあきこ先生に伺いました。
すぐに受診したほうがいい4つの異常
呼吸が荒い
肺炎などの呼吸器疾患、心筋症などの循環器疾患が疑われます。命に関わるケースも少なくないため、注意が必要です。
けいれんが治まらない
てんかんのような発作が、繰り返し起こっているおそれがあります。脳に後遺症が残ることもあるので、すぐに動物病院を受診しましょう。
意識がない
失神や低血糖症、てんかんの発作などが原因だと考えられます。いずれも、命が危険な状態だと考えていいでしょう。
大量のよだれが出る
中毒症、熱中症、内臓疾患、胸水など、さまざまな原因が考えられますが、なかには命に関わる病気もあります。
夜間や休日でも受診できる動物病院を調べておこう
「昨日までは元気だったのに、突然命に関わるような危篤状態になってしまった」なんてことも。考えたくはないですが、可能性としてはあり得る話です。こういった場合は、一刻も早く動物病院で適切な処置を受ける必要があります。
かかりつけの動物病院以外にも、自宅から一番近く、夜間や休日でも対応してくれる救急の動物病院を、前もって調べておくことが大切です。
外で危篤状態の猫を見つけたらどうすればいい?
まれに、病気やケガをしている猫を道端などで見かけることがあります。
「動物の愛護及び管理に関する法律」では、飼い主がわかる場合は飼い主へ、わからない場合は「都道府県知事等に通報するように努めなければならない」と規定されています。
このような場面に遭遇した場合は、都道府県、保健所、動物愛護センターなどに連絡し、指示を仰ぐといいでしょう。
「うちの愛猫は大丈夫」と考えていると、いざというときに適切な行動がとれないかもしれません。ご紹介したように、危険な症状をしっかりと覚えたうえで動物病院を調べておくなど、日頃から準備を怠らないようにしておきましょう。
お話を伺った先生/重本仁先生(王子ペットクリニック院長)、いしまるあきこ先生(一級建築士 愛玩動物看護師)
参考/「ねこのきもち」2025年5月号『まずは知ることがリスクや被害を減らす第一歩 図解 猫のいのちの守り方』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。