飼い主さんに一緒に圧をかける2匹の猫の心理とは？　獣医師が解説

目力を感じるほど開いた瞳孔。

おねだりするように見つめるふうたくんとせんちゃん — 飼い主さんに圧をかける、ふうたくん（写真左）とせんちゃん（写真右）

写真の猫は、X（旧Twitter）ユーザー＠myaaaa_fuuuutaさんの愛猫・ふうたくん（取材当時5才）とせんちゃん（取材当時2才）です。この写真が撮影されたのは深夜のこと。

飼い主さん：
「ゴハンをあげているのに、2匹は食べに行かず私の近くをウロウロしていました。その動きを見てわかっていたのですが、そのままスマホに目を向けて見ないフリをしていると、それまでとは違う圧を感じたのです。そして顔をあげると、目の前にこの2匹が並んで座っていました」

カメラを見つめるせんちゃんとふうたくん — 別の日の様子。仲よしさんのせんちゃん（写真手前）とふうたくん（写真奥）

飼い主さんが「この2匹がそろうときは、絶対におやつだ」というコメントを添えて投稿すると、フォロワーから「確かに訴えかける目ですね（笑）」「ちゃんと団体交渉を理解しているニャンズ」「圧がすごい。かわいすぎる」などの反応が。SNSで話題になりました。

飼い主さんは、ふうたくんとせんちゃんのおねだりに耐えることができたのでしょうか？

おやつが大好きなコンビのおねだりにメロメロ

当時の心境を飼い主さんにお聞きしました。

飼い主さん：
「まずは、『かわいさで訴えるのか～』と思いました。次に、『いやいや、無理よ』ということを考えていました（笑）」

おやつをねだられていると直感したのにも、理由があるといいます。

飼い主さん：
「わが家は私が仕事から帰宅する17時過ぎをおやつの時間と決めているのですが、そのときに、ほかのコたちを押し退けて『おやつちょうだい！』とやって来るのがこの2匹なんです。何よりもおやつが大好きなんです」

この日はおねだりに耐えられた飼い主さんですが、ときには負けてしまうこともあるのだとか。

飼い主さん：
「ふうたもせんちゃんもおねだりが上手です。ふうたは、こちらが指示を出さなくてもおやつがほしいときに、勝手にオテをしてきます。とてもわかりやすいです（笑）
せんちゃんは上手というよりも、執念深いです。『今日は食べたから、ダメ！』と言っても何度も来るので、つい、負けてあげてしまうこともあります」

【獣医師解説】飼い主さんに一緒に圧をかける2匹の猫の心理とは

ふうたくん、つきちゃん、おーくん、せんちゃん — 網戸越しに帰宅を出迎えるふうたくん（写真奥）、せんちゃん（写真手前右）と同居猫のつきちゃん（写真手前左）、おーくん（写真手前中央）

ここからは、ふうたくんとせんちゃんの行動から読み取れる心理などについて、ねこのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生に解説していただきます。

――ふうたくんとせんちゃんは、ゴハンをあげたのに食べに行かず、飼い主さんの目の前に座って圧をかけていたそうです。飼い主さんは2匹のふだんの行動から、おやつをねだられていると直感したとのことですが、ふうたくんとせんちゃんの行動からは、どのような心理が読み取れますか？

岡本先生：
「猫が飼い主さんをじっと見つめる行動は、飼い主さんに何か要求を伝えるときに多いです。このときの状況から、ふうたくんとせんちゃんは飼い主さんがおっしゃるように、おやつがほしいと訴えかけていた可能性が高いです」

――ふうたくんとせんちゃんのように、愛猫が何かをおねだりするように圧をかけてくる場合、飼い主さんはどのように対応すべきでしょうか？

岡本先生：
「毎回要求に応えてしまうと、要求がエスカレートしてしまう可能性があります。なるべくそっとその場を離れる、気づかないふりをする、といった対応も必要になると思います」

おやつがほしいと一緒に訴える姿がかわいい、ふうたくんとせんちゃん。きっと今日も、おやつをおねだりする2匹と、その圧に耐える飼い主さんの攻防が続いていることでしょう。