猫がグイグイ飼い主にお尻を向けてくるのはなぜか　専門家に聞いた意外な理由

飼い主さんにお尻を向けたり、何もない場所を見つめたりするなど、猫は不思議なしぐさや行動をすることがありますよね。

そこで今回は、猫のしぐさや行動を5つピックアップし、それに込められた理由について、哺乳動物学者の今泉忠明先生にお話を伺いました。

猫が相手にお尻を向けるのは「信頼のサイン」

猫にお尻を向けられたら、それは信頼されている証拠です。

相手にお尻を向けるという行動は、猫にとってリスクがあります。猫同士では、信頼し合っている相手以外にお尻を向けることはありません。

猫がふみふみするのは「甘えたい」「落ち着きたい」気持ちのとき

猫が両前足を交互に動かして布などを踏むしぐさが「ふみふみ」です。このしぐさは、子猫気分で母猫に甘えたいときや、落ち着きたい気分のときに見られます。

子猫は母猫のおっぱいを押すことで、お乳の出をよくしようとしますが、ふみふみはこの行動の名残です。

猫が何もない場所を見つめるのは「小さな音に集中」しているとき

猫が何もない場所をじーっと見つめているときは、人の耳には聞こえないレベルのかすかな音や高い音を、聞き取ろうとしている可能性が高いでしょう。

猫は「人の約3倍」ともいわれる可聴域を活かして、小動物の鳴き声や虫の羽音などをキャッチしています。

猫が寝転がる場所を掘るのは「安全確認」のため

猫は自分が寝転がろうとする場所を、何度も掘るしぐさを見せることがあります。このしぐさは横になる前の安全確認であり、野生の習性の名残だと考えられています。

野生の猫は地面に体を横たえる際、その周辺を掘ることで「危険な生き物がいないかどうか」を確認していたのです。

猫が映ったテレビに見入るのは「興味津々」だから

テレビにほかの猫が映った際に、真剣に見入る猫もいます。このときの猫は、テレビに映る動く猫を「興味深い存在」として観察していると考えられます。

しぐさだけを見ると、「仲間だ！」と思っているようにも感じるかもしれません。しかし、見た目だけで猫だと認識している可能性は低いでしょう。猫の視力はそれほどよくはないのです。

猫がよく見せる5つのしぐさと、その理由についてご紹介しました。猫のしぐさに隠された意味を知ると、彼らの存在がより一層愛しく感じられそうですね。

お話を伺った先生／今泉忠明先生（哺乳動物学者日本動物科学研究所所長）
参考／「ねこのきもち」2023年8月号『初めてさんもベテランさんも、知って納得動物学者・今泉先生からの挑戦状！猫のしぐさクイズ』
文／藤真もとみ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

CATEGORY 猫と暮らす

2023/12/08 UP DATE