猫に欠かせないお手入れのブラッシング。しかし、猫になぜブラッシングが必要で、どんな道具がいるかわからない人もいるでしょう。今回は、猫のブラッシングの効用とブラシの選び方について、アニマルケアサロンFLORA院長の中桐由貴先生に伺いました。
新陳代謝の促進や信頼構築に有効なブラッシング
ブラッシングは、抜け毛を取り除き、毛並みを整える以外にも期待できる効果があります。中桐先生によると、ブラッシングをすると皮膚がほどよくマッサージされるので、新陳代謝が促されるといいます。
また、触れ合うことは猫と飼い主さんのいいコミュニケーションにもなり、関係を深められるのだそう。猫は体調が悪くなると、毛並みの状態も悪くなることがあるので、健康チェックも兼ねて、ブラッシング習慣がつけられるといいですね。
猫のブラッシング用ブラシの選び方
ブラッシング用のブラシはさまざまありますが、猫の特徴やブラッシングの用途によって使い分けます。細目と粗目のコームがあれば、基本のブラッシングは可能ですが、猫の好みや飼い主さんの使いやすさなども考えて選ぶといいでしょう。
コーム
コームは長毛種の猫・短毛種の猫ともに使いやすい道具です。目が細かいもの(細目)と粗いもの(粗目)があり、細目を基本に使いますが、毛玉などをほぐすときに粗目を使用します。細目と粗目を兼用できるタイプのコームもあります。
スリッカー
先端が細い針金になっているブラシで、毛玉などをほぐし、取り除くことができます。とくに毛玉のできやすい長毛種の猫に使うと便利です。ただし、ブラシの先端部は強く当たると皮膚を傷つけるおそれがあるので、注意しましょう。
獣毛ブラシ
豚毛や猪毛を使用したブラシです。先端がギザギザで硬いタイプ、逆に平らでやわらかなタイプなどがあります。適度な水分と油分が含まれているため、抜け毛を取り除くと同時に、毛をツヤツヤにする効果が期待できます。
ラバーブラシ
シリコンやゴムを使用したブラシで、素材の摩擦力で抜け毛や皮脂をからめ取ります。おもに、短毛種の猫の体表の抜け毛を取るのに便利です。やわらかな素材なので、やさしい感触のブラッシングができ、マッサージ効果もあります。
ミトン
手のひら側にラバー素材の凹凸があるブラシです。ブラッシングをする人の手をカバーしながら、飼い主さん・猫ともに、なでる・なでられるときと同じ感覚でブラッシングができるので、初心者におすすめです。
使いやすいブラシを選んで愛猫をこまめにケアしてあげよう
猫の健康にも、猫と飼い主さんとの信頼関係にもいい効果をもたらすブラッシング。猫の好みや被毛の状態を考えるのはもちろん、飼い主さんにとっても使いやすいブラシを選んで、愛猫をこまめにケアしてあげましょう!
お話を伺った先生/中桐由貴先生(アニマルケアサロンFLORA院長 獣医師 日本ペットマッサージ協会理事)
参考/「ねこのきもち」2024年4月号『ブラシの選び方から流れまで 知れば簡単! 猫ブラッシング』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。