ストレスをためると病気のリスクが!
誰かと同居生活をおくる際に気になるのが、生活のリズムや習慣の違い。同じ種族である人同士でも、少しの違いから歯車がかみ合わなくなることがあるでしょう。その問題は人と猫でも同じです。
もともと、人と猫は生活環境も習性も全く異なる生き物。一緒に暮らしていくうえで、楽しいことや怖いこと、イヤなことが全く違います。そこを十分理解していないと、猫にストレスを与えてしまうかもしれません。そして、ストレスをためたままにしておくと、病気のリスクも伴います。
今回は「猫の慢性ストレス」に焦点をあてて、病気のリスクを回避する術を見ていきましょう。
急性ストレスと慢性ストレスの違い
急性ストレス
突然揺れる地震や大きい音がする花火、縄張りを侵される心配がある来客、予測不能な動きをする子どもなど、一時的に猫が直面する強いストレスを「急性ストレス」と呼びます。一過性のものなので、たいていはストレス要因が取りのぞかれれば大事には至りませんが、何度も繰り返されると「慢性ストレス」へと発展します。
慢性ストレス
先述したストレスが繰り返されたり、同居猫との相性が悪かったりと、猫が苦手なものから避けられない状態にいると、慢性的にストレスを感じ続けてしまいます。慢性ストレスは飼い主さんが気付きにくいため、発見が遅くなりがちです。例えばこんな様子が見られたら慢性ストレスかもしれません。
・攻撃行動が増えた
・自分の体をしつこくなめる
・ずっとイライラ、神経質になった
・部分的な脱毛
・下痢が続く
慢性ストレスになると病気を発症することがあります。普段の様子から、異変に気付いたら獣医師へ相談しましょう。
慢性ストレスから皮膚炎に!?
ストレスから気を紛らわそうと、体をなめ続ける猫もいます。猫のトゲトゲした舌でなめ続けた部分が脱毛し、さらには炎症を起こしてしまうこともあります。なめる部位で多いのはお腹。飼い主さんが気付きにくい場所でもあるので、発見が遅れることのある症状です。
その他にも膀胱炎や胃腸炎、猫カゼの引き金ともなる「慢性ストレス」。ストレスのもとを上手く取りのぞき、猫にとって快適な生活空間を作ってあげることで、ストレスは緩和されていくでしょう。みなさんの愛猫はストレスを抱えていませんか?
参考/「ねこのきもち」2016年8月号『猫のQOLを尊重するために知っておこう!』(監修:帝京科学大学助教 動物看護師 小野寺温先生)
文/HONTAKA
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。