熱中症のサインに気づいてあげて!
これから暑くなる季節、特に気をつけたいのが熱中症です。熱中症は十数分で症状が現れると言われており、痛みを隠すことで知られている猫でも、見た目や行動にサインが隠れているかもしれません。もし愛猫が熱中症になったら…。万が一のための、応急処置法をご紹介します!
口呼吸をしていたら熱中症のサイン?
猫はふだん鼻から呼吸しますが、口で呼吸をしていたら熱中症のサイン。ほかにも被毛が少ないお腹や毛のない肉球に異常に熱がある、ふらついてまっすぐ歩けない、高熱などの症状も見受けられます。最悪命にも関わるため、適切な応急処置をする必要があります。
意識があるときの応急処置(呼びかけに反応する、自力で動けるなど)
部屋を涼しくする
熱が部屋にこもってしまうと、熱中症の原因となります。窓をあけて部屋全体の温度を下げて、エアコンをつけます。可能なら、扇風機の風を猫にあててあげましょう。もしカーテンを開けている場合は日陰に猫を移動させるか、カーテンを閉めて猫に日光が当たらないように注意してください。
猫の体を冷やす
氷水を用意してタオルを浸したら、水がしたたる程度に軽く絞り、猫の体を覆うようにかけてあげます。特にお腹など毛の薄い部分を重点的に冷やしてあげることで、より体温を下げることができます。
タオルを嫌がるようならこんな方法も…
タオルを嫌がる場合は、保冷剤を鼻や口の前に置き、冷気を送ってあげるのもOKです。
水分補給をさせる
熱中症で脱水症状を起こしているので、スポイトなどで水分補給をしてあげましょう。あごに軽く手を添えて、スポイトを口にいれます。もしスポイトがない場合には、スプーンで代用してください。水を垂らす際には、しっかりと飲み込んでいることを確認しましょう。
水の代わりに小さい氷やバニラアイスを与えるのも◎。体を冷やせるうえに、脂肪分が含まれているバニラアイスを好んで食べてくれる猫もいます。
意識がないときの応急処置(呼びかけに無反応、自力で動けないなど)
体全体を冷やすことを最優先に
もし猫の意識がない場合は、首から下を冷やしてあげてください。そうすることで、体全体を冷やすことができます。なお、必ず意識がないことを確認してから行うようにしましょう。もし意識があるときに行ってしまうと、体を冷やしすぎて血行が悪くなり、かえって熱を逃がしにくくなってしまいます。
シャワーを直接体にあて、10分ほど冷やす
シャワーで10分ほど水をかけてもOK。毛が薄いお腹などを重点的に冷やし、背中などの毛が多い箇所にはシャワーヘッドを体に直接当て、皮膚まで届くようにしましょう。
動物病院に電話し、指示を仰ぐ
猫の意識がない場合は緊急性が高いため、動物病院に電話してすぐに受け入れてほしいことを伝えます。電話越しに獣医師が指示を出してくれるようなら、それに従って行動しましょう。病院への移動中も濡らしたタオルを体にかけ、保冷剤や氷を猫のそばに置いて猫の体を冷やし続けてあげてください。猫を大きめのポリ袋にいれると、周りが水びたしになるのを防げますよ。
車で動物病院に連れていく際の注意点
車で動物病院に連れていく場合は、エアコンをかけて車内を涼しくしておきましょう。猫は助手席の足元に置くと安定します。熱がこもるキャリーケースは使わないようにしましょう。
ふだんの愛猫の様子をよく知っておくことで小さな変化にも気付けることができ、愛猫の健康を守ることにもつながります。そして急な熱中症にも対応できるよう、応急処置の方法を覚えておきましょうね。
参考/「ねこのきもち」2017年8月号『〇〇がある・ないのサインでわかる猫の病気』(監修:ノヤ動物病院院長 野矢雅彦先生)
イラスト/Studio CUBE.
文/佐藤