猫は、飼い主さんやほかの人に「遠慮」しているように見える行動をとることがあります。今回は、一見「遠慮」しているように見えても、違う意味が隠されているケースをご紹介します。愛猫の行動と照らし合わせて見てみてください。
飼い主さん以外の人に対しておとなしいのは「遠慮」しているの?
飼い主さんには容赦ない猫でも、子供には噛みつかないのは?
飼い主さんがブラッシングなどをするとき、容赦なく噛みついてくるタイプの猫でも、相手が小さな子供や動物病院の人だと、何をされても噛みつかない場合があります。これは、子供や動物病院のスタッフがどんな行動をとるかわからないため、恐怖と緊張で固まってしまって噛みつけないのかもしれません。つまり、信頼している飼い主さんにだけ自分を出していると考えられます。
また、相手が同居している子供の場合、「相手が小さいから仕方がない」と我慢していることもあります。
来客中にこっそり2階に行っておとなしくしているのは?
来客中に会話が弾んでくると、猫がこっそり2階や猫タワーなど、離れた場所に行っておとなしくしていることがあります。これは遠慮しているのではなく、知らない人が家にいることで少し緊張していて、普段通りに行動できていない状態だといえます。お客さんのニオイをかいだり体をこすり付けたりといった挨拶をする場合は、お客さんが来ることに対して嫌がっているわけではないようです。
飼い主さんに対するこの行動は「遠慮」しているの?
かなり手加減して噛むのは?
猫が嫌なことをされたときなどに、気をつかっているように優しく噛むのは、飼い主さんに遠慮しているわけではないかもしれません。飼い主さんとのいつものやり取りで「これくらい噛めば嫌なことをやめてくれる」とわかっていて、それ以上は噛まないのでしょう。または、過去に一度強く噛んだことがあって、そのときの飼い主さんの反応にビックリしたということも考えられます。
飼い主さんの体調が悪いとき、いつもよりおとなしくしているのは?
飼い主さんの体調が悪いときに「かまって」アピールが控えめな場合、猫が気をつかってくれているように感じるかもしれません。しかし、これは飼い主さんのいつもと違う状態に警戒している可能性が高いです。
猫は、飼い主さんがいつもと違う行動をとると、「いつもと違う」「何か変だな」と不安になります。おとなしくしているのは遠慮しているわけではなく、警戒心を持って様子を見ているのでしょう。
猫は人のような「遠慮」はしないって本当?
人は相手の気持ちを考え、よりよい人間関係を築くために「遠慮」します。しかし、猫の場合は相手の気持ちを考えているわけではなく、緊張や不安による「警戒」の気持ちからの行動が多いといえます。なるべく「遠慮」しなくて済むような環境を用意してあげられるといいですね。
一見「遠慮」しているように見える行動でも、実は違う意味が隠されていることがあります。愛猫の気持ちを察して、上手に付き合っていきたいですね。
参考/「ねこのきもち」2016年5月号『猫も遠慮、するのかな?同居猫や飼い主さんへの行動を検証してみました。』(監修:帝京科学大学助教 動物看護師 小野寺温先生)
文/AzusaS
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。