猫と暮らす
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獣医師に聞きました!手術理由のほとんどは予防が可能って本当?!
猫のよくある入院理由は腎不全、手術理由は歯周病
今回のテーマは「猫の入院・手術理由」です。
猫はどんな症状で入院することが多いのか、聖母坂どうぶつ病院の鵜飼佳実先生にうかがいました。
入院のおもな目的は脱水症状の改善
猫の入院・手術理由です。猫はどんな理由で入院・手術をすることが多いのでしょうか?
鵜飼先生:はい。まず入院から見ていきましょう。左上のグラフは、猫の入院理由TOP15です。
1位は「腎不全」ですね。腎不全が進行すると、脱水症状を改善するために、入院をして常時静脈点滴をすることがあります。
2位以下についても、脱水症状を改善する、炎症を抑える、感染を予防するなどの目的で入院をして、静脈点滴をすることが多いですね。
手術をした場合や外傷では、傷の管理や安静のために入院をすることもあります。
編集:入院になるような事態を防ぐために飼い主さんにできることはありますか?
鵜飼先生:治療中の持病が悪化してしまった場合などは、防ぎようがないですね。
でも、猫がぐったりして初めて来院されるなど、もっと早い段階だったら通院治療で改善できたのにと思うケースもあります。
愛猫の様子が何となくおかしいと感じたら、なるべく早めに来院し、必要な検査を受けていただきたいですね。
編集:病気の初期段階で治療を始めることが大切なんですね!
鵜飼先生:その通り! 入院の理由がわかったところで、次は猫の手術理由をお話しましょう。
手術理由のほとんどは予防が可能です
鵜飼先生:まずは下のグラフを見てください。
鵜飼先生:これは猫の手術理由TOP15です。
データを見て気付くのは、腫瘍(しゅよう)・腫瘤(しゅりゅう)を除く手術理由のほとんどは、飼い主さんのケアや配慮で予防が可能だということです。
編集:どのようなケアや配慮をすれば予防できるのでしょうか?
鵜飼先生:たとえば、歯周病や歯根膿瘍(しこんのうよう)・根尖膿瘍(こんせんのうよう)などの歯・口内の病気は、歯磨きや口の中のチェックで予防・早期発見できます。
消化管内異物(誤食)、外傷、骨折は安全な環境づくりの配慮で予防できますね。
さらに、膀胱結石、尿道閉塞、尿石症は、健康診断で定期的に尿検査を受けていれば、結石ができやすい体質を把握することができ、療法食で発症を予防できます。
手術は病気を治療する有効な手段であることは間違いありません。でも、受けなくてすむならそれが一番。
日頃からできる限りのケアや配慮をして、予防してあげたいですね。
編集:予防の大切さをあらためて感じました。さっそくできるケアを実行してみたいと思います。ありがとうございました!
出典:「ねこのきもち」2017年10月号『イマドキ猫の健康事情』
データ提供:アニコム損害保険株式会社
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