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増え続ける外猫、人も猫も苦しい状況に…地域ぐるみで始まった「大岡山まちねこプロジェクト」

地域猫活動とは、外猫に不妊手術を行い、一代限りの命として管理・見守る取り組みです。本来は地域ぐるみで進めるのが理想かもしれませんが一部の有志が担っているケースも少なくありません。そんな中、東京都・大岡山では多くの住民が参加し、少しずつ地域猫活動が根付き始めているようです。

※記事内容はすべて2026年4月1日現在のものです。

駅の北側と南側でことなる猫事情

"猫の街"となったエリアでは、とくにゴハンをもらえる家の周りに猫が集まり、その目の前の 道路は車や自転車が通行しにくい状況があった
"猫の街"となったエリアでは、とくにゴハンをもらえる家の周りに猫が集まり、その目の前の道路は車や自転車が通行しにくい状況があった
東京都大田区に位置する大岡山駅。その北側には、メインストリートともいえるにぎやかな商店街がまっすぐのび、南側にはランドマークである国立大学を中心に、閑静な住宅地が広がっています。「大岡山まちねこプロジェクト」は、2020年に“南側”で始まった地域猫活動です。

「“北側”には地元で有名な“猫の人”がいたため、猫の問題は比較的落ち着いていました。キャットフードを詰めた容器を自転車の前後にいっぱい積み上げ、朝晩、街を縦横無尽に走りまわるその人が広範囲にわたってたくさんの猫のお世話をしていたんです」

今回お話をうかがったのは、東京都動物愛護推進員の西田りかさん。目を向けるようになったのは約15年前のことだといいます。街で1匹の猫と出会い、その猫をお世話する人がいることを知って手伝うように。やがて“猫の人”が急逝されたあとも、西田さんはほかのメンバーとともに活動を続けてきました。

一方、“南側”は深刻な「猫の街」になりつつありました。ゴミを出せばすぐに猫にあさられ、犬を散歩させれば猫との衝突が起こります。発情期には鳴き声やケンカが絶えず、公園や庭は糞尿被害に悩まされ……、増え過ぎた猫が人の生活をおびやかすようになっていたのです。

住民が立ち上がり、プロジェクトが始動

活動始動の頃、家々のポ ストにチラシを配布した。配 った枚数はじつに約6000枚 
活動始動の頃、家々のポストにチラシを配布した。配った枚数はじつに約6000枚 
猫の増加により、疲弊するのは人だけではありません。栄養不足、ケガや病気など、猫を取り巻く環境も過酷です。このままでは人も猫も共倒れになる……、そんな危機感を抱いた住民と自治会、さらに相談を受けた“北側”の西田さんたちが力を合わせて「大岡山まちねこプロジェクト」を立ち上げました。

最初に行ったのは、現状の調査です。街をくまなく歩き、どこにどんな柄の猫が何匹いるのか、ゴハンを与える人はどこにいるのか、糞尿トラブルはどこで発生しているか、さまざまな情報を集めてマップに書き込んでいきました。マップが完成すると、取り組むべき課題の優先順位が見えてきます。そこから、具体的な活動計画を立てていきました。

また、住民に協力と参加を呼びかけるチラシを作成。自治会の掲示板や家々のポストに配布しました。

「活動は月2回、土曜日の午後です。まずは駅前で集合するんですが、子供が『行ってみようよ』と親御さんを連れてきてくれたり、幅広い年代の方が参加してくれました」

これまでの参加者は、のべ1000人以上というから驚きです。
2020年に始動したとき は、100m歩けば30匹 の猫と出会う状況だっ た。コロナ禍で困難も 多い中、人にも猫にも 思いやりを大切にしな がら活動を続けた
2020年に始動したときは、100m歩けば30匹の猫と出会う状況だった。コロナ禍で困難も多い中、人にも猫にも思いやりを大切にしながら活動を続けた
出典/「ねこのきもち」2026年6月号『猫のために何ができるのだろうか』
取材/野中ゆみ

※この記事で使用している画像は2026年6月号『猫のために何ができるのだろうか』に掲載しているものです。
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