判断力とは、物事を正しく認識し、判断する能力です。
では、猫にも判断力はあるのでしょうか?
今回は、猫の判断力について解明すべく、飼い主さんから聞いた判断力を感じる猫のエピソードを参考に、検証してみました。
エピソード1. 車のエンジン音で帰宅がわかる
岐阜県に住むAさんの愛猫は、飼い主さんの車のエンジン音を聞くと、玄関までお迎えに来てくれるといいます。宅配便やご近所さんのエンジン音には反応しないので、「家族の車のエンジン音を聞き分けているんだ!」と嬉しくなるそうですよ。
エピソード2. 出かける準備を始めると寝る
大阪府に住むBさんの愛猫は、Bさんから「出かけるから待っててね」と声をかけられると、いつもの居場所へ戻っていくそうです。また、Bさんが忙しくしているときでも、フラッといなくなり寝床へ。
「飼い主さんにかまってもらえなくなる」と判断すると、寂しくてもあきらめて寝てしまうようですね。
エピソード3. 家族によって態度を変える
神奈川県に住むCさんの愛猫は、Cさんがなでると気持ちよさそうにしますが、Cさんのお母さんがなでようとすると嫌がり、たまにすごい勢いで噛みつくことがあるといいます。
ちなみに、弟さんにはべったりと甘えるのに、お父さんには近寄られるだけで噛もうとするなど、反抗的なんだそうです。
検証結果! 猫は普段の行動パターンを学習して判断していた
猫は飼い主さんとの暮らしの中で、飼い主さんが出かける時間や帰宅する時間、いつもご飯をくれる人や遊んでくれる人など、生活パターンを自然に学習しています。また、『エピソード1』のように、エンジン音という手掛かりから、飼い主さんの帰宅を推理することもあるようです。
猫は、こうした経験から得たことや推理をもとに、自分が有益になることを判断して行動しているとも考えられます。
五感をフル活用して判断材料を取集することも
猫は五感を使って、判断や推理をする手掛かりを取集しています。そのときの状況によって、活用する五感は変わりますが、例えば、『エピソード1』ならエンジン音を聞き分ける「聴力」、『エピソード3』の場合は、家族を見分ける「視覚」や「嗅覚」を使っているといえるでしょう。
このように、猫はさまざまなことを学習し、それを判断材料にして自分の行動を決定していることがわかりました。
ちなみに、判断するための五感は、ただいたい生後2~3週間で作られるといわれています。つまり、その頃から少しずつ、猫の判断力は養われているといえそうですね!
参考/「ねこのきもち」2017年1月号『飽きっぽく、忘れっぽく、気ままに見えても…猫にも集中力・記憶力・判断力ってあるみたい!』(監修:京都大学院文学研究科教授 藤田和生先生)
イラスト/ベスヨシコ
文/HONTAKA
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。