嗅覚が敏感な猫は、自分のニオイを付けて自分の存在をアピールしたり、甘えたり安心したりと、「自分のニオイ」をさまざまなシチュエーションで使います。
今回は、猫との暮らしを楽しむためにぜひ飼い主さんに知っておいてほしい、「ニオイ」についてまとめました。
縄張りを自分のニオイで満たしたい
猫の頭や頬の部分にはニオイの分泌腺があります。その部分から出るニオイを、自分の縄張りに擦り付けることで安心するのです。新しいおもちゃを与えたときも、最初はクンクンと嗅いで確認しますが、そのあと自分のニオイを付けるように顔まわりをスリスリします。
そうやって室内が自分のニオイで満たされると、猫は安心感につつまれて嬉しい気持ちになるのです。そのため、室内では猫が安心できるように、香りの強いものや猫が苦手と感じる柑橘系のニオイの香水・芳香剤などを置いたり付けたりするのは避けましょう。
じつは全身に臭腺があるんです
ニオイを分泌する臭腺の多くは顔まわりに集中していますが、顔まわりだけではなく全身に臭腺があります。足先は爪とぎのときに、お尻は排泄するときによく使われるんですよ。
飼い主さんにニオイを付けて安心したい
飼い主さんにスリスリするのも、自分のニオイで満たしたいからです。とくに外から帰ってきた飼い主さんにはいろいろなニオイが付いています。嗅ぎなれないニオイを楽しみつつも、自分のニオイを付けることで、ニオイの交換をして安心したいのです。これは、留守番をすることが多い猫によく見られるしぐさです。
飼い主さんの気を引きたい
複数飼いの場合、ほかの同居猫との関係性もあり、積極的に飼い主さんにニオイを付けられない猫もいます。そんなときは、少し離れたものにニオイを擦り付けることがあります。これは、飼い主さんに対して直接アピールする猫とは程度は違いますが、大好きな飼い主さんの気を引きたいときにするしぐさでもあるんですよ。
室内の家具や柱にスリスリしたり、飼い主さんにスリスリしてニオイを付けたりすることで「これは自分のもの」と主張しているのですね。もちろん、飼い主さんへの愛情表現のひとつでもあり、安心していられるための行動でもあります。そのため、飼い主さんは室内の猫のニオイを消しすぎないようにしてあげられるといいですね。
参考/「ねこのきもち」『ねことのキョリが縮まる本』(監修:獣医師 ペット行動カウンセラー 藤井仁美先生)
「ねこのきもち」2018年6月号『愛情表現のしぐさが丸わかり 毎日は猫からのNyamore(ニャモーレ)に溢れてる!』(監修:獣医師 獣医行動診療科認定医 ペット行動カウンセラー 藤井仁美先生)
文/ishikawa_A
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。