野菜は、猫の体にもいいイメージがあるかもしれません。しかし、ものによっては体に害を与えてしまうものがあり、最悪の場合、命の危険もあるのを知っていますか?
今回は、「猫に与えるときに注意が必要な野菜」と「食べると命にかかわる野菜」について紹介します。
まずは、与えるときに注意が必要な野菜から見ていきましょう。
①なす→「△」 アク抜きしたもので少量であれば可
なすに含まれるアクが、アレルギー反応を引き起こすことも。なすを切ったら、水にさらしてアク抜きをして、茹でてから与えましょう。
もし、猫になすを与えるなら……
猫になすを与える場合は、茹でて刻んで小さじ1杯程度に。
②いんげん→「△」 胃腸の弱い猫には控えて
いんげんを食べすぎると腸内で過剰に発酵し、お腹をこわす場合があります。胃腸の弱い猫には控えましょう。
もし、猫にいんげんを与えるなら……
猫にいんげんを与える場合は、消化をよくするために茹でて5mm程度に刻み、小さじ1杯程度に。
③菜の花→「△」 からしなど調味料であえたものは与えないで
菜の花をからしなどの調味料であえたものは、猫に刺激が強いので与えてはいけません。茹でただけの状態であれば、欲しがるのならばひとつまみ程度はOKです。
もし、猫に菜の花を与えるなら……
猫に菜の花を与える場合は、茹でてひとつまみ程度に。
④じゃがいも→「△」 生のままはNG! 芽は中毒の恐れも
じゃがいもの芽や皮の緑色の部分には「ソラニン」と呼ばれる毒性の強い成分があり、猫が下痢をしてしまうことがあります。
与える場合は、芽をしっかりと取って、加熱後に冷ましたものを与えましょう。
もし、猫にじゃがいもを与えるなら……
⑤たけのこ→「△」 ミネラルが多く、結石の原因になるので注意!
たけのこはアクが強く、結石のもとになるミネラルが多く含まれているため、与えないほうがよいでしょう。
オシッコの病気の猫にはNGです!
もし、猫にたけのこを与えるなら……
猫にたけのこを与える場合は、茹でて、細かく刻んで、小さじ1杯くらいに。
⑥水菜→「△」 食べやすい大きさに刻んで与えて
水菜を与える場合は、細かく刻んであげれば小さじ1杯程度は大丈夫です。
ただし、カルシウムが尿石症の原因となるので、オシッコの病気がある猫にが与えるのを控えましょう。
もし、猫に水菜を与えるなら……
猫に水菜を与える場合は、生で細かく刻み、小さじ1杯くらいに。
⑦しいたけ→「△」 食物繊維が多いので、与えすぎると下痢の恐れが
しいたけは約90%が水分なので、猫に害はないでしょう。ただし、食物繊維が豊富なので、生煮えだったり食べすぎると下痢をすることも。
よく火を通しましょう。
もし、猫にしいたけを与えるなら……
猫にしいたけを与える場合は、茹でて1/4個以下に。
⑧えのき→「△」 長いままだと消化されにくいので注意
しいたけ同様、えのきは食物繊維を多く含むので、食べすぎると下痢の原因になります。また、長いまま与えると喉に詰まることがあるので茹でて刻んで与えてください。
もし、猫にえのきを与えるなら……
猫にえのきを与える場合は、茹でて細かく刻んだ1本分。
以下の野菜は、猫が食べると命にかかわるものです。絶対に与えないでください!
⑨玉ねぎ・長ねぎ・にら→「☓」 貧血や血尿など、さまざまな健康被害が
ねぎ類には、猫の赤血球を破壊し、貧血や血尿を引き起こす成分が含まれています。
この成分は加熱してもなくならず、ハンバーグなど調理された状態で食べても中毒を起こす恐れがあります。
⑩春菊→「☓」 アクがでる野菜は、尿石症の原因になることも
春菊やほうれん草などのアクが出る野菜には、「シュウ酸」が含まれています。シュウ酸は、摂りすぎると尿石症になる恐れがあるので、与えないほうが無難です。
オシッコの病気の猫にはNG!
レタスやキャベツ、にんじん、トマトなど、与え方と量に気をつければ猫にもいい野菜はありますが、上記で紹介したものは注意が必要です。
飼い主さんは覚えておいてくださいね!
※「与えるなら」で掲載している分量は、体重4kg前後の標準的な体重の成猫を想定した目安です。
※食べ物を与えるときは、のどに詰まらないよう、細かく切るなど下処理をしてから与えてください。
※どんな食べ物でもアレルギー症状を引き起こす可能性はあります。愛猫に与えて異変が出たら、ただちに与えるのをやめて、獣医さんに診てもらいましょう。
※この記事で「与えてはいけない食材」として紹介しているものが、猫用のフードの成分として含まれていることがありますが、食材そのままでなく、猫用に成分を調整するなど適切に加工されていますので心配ありません。
※問題のない食材でも初めて口にしたときは下痢をしてしまうことも。様子を見ながら、少しずつ与えましょう。
参考/「ねこのきもち」『まんぞくさんも大満足♡ 猫に与えてOK?NG?食べ物図鑑』
(監修:高円寺アニマルクリニック院長 高崎一哉先生)
文/sorami