熱中症といえば真夏に注意すればいいと思うかもしれません。しかし、年々暑くなる時期が早まっている近年では、夏本番前から猫が熱中症になる危険が!
今回は早い時期から起きる猫の熱中症の症状について紹介します。
いますぐ実践しましょう!
5月でも夏に匹敵する暑さ。早めの対策が肝心
画像/2019年5月号「さきどり発令! 熱中症注意報」
近年の温暖化に伴い、5月でも夏日になることがあります(上図参照)。そのうえ湿度も高く、体感温度が真夏と変わらない日もあるほど。ところが、「まだ5月だから」と対策をしていないなど、飼い主さんの気の緩みが愛猫の熱中症を引き起こしかねないのです。対策をするのに早過ぎることはないので、5月からでも準備していきましょう。
実際に5月に2件も診断
ノヤ動物病院の野矢雅彦先生が5月に診断した猫の熱中症は、どちらも昼間の車中で起きたもの。1件目は別の理由で受診した帰り道、飼い主さんが猫を車中に残して買い物に寄り、30分後に戻ると、猫の息があがっていたというケース。2件目は、保護した10匹の子猫をケージに入れ、車で動物病院に連れて行く途中で体温が急上昇してしまったケース。先生によると「猫の熱中症はほぼ人為的なミスによるもの」とのことです。
5月にこんな様子が見られたら熱中症かも!
軽度の場合
口呼吸をしている
イラスト/片山智恵
猫はふだん鼻呼吸をしているので、口をあけて苦しそうに呼吸をしている場合は、注意が必要です。
体表が熱い
イラスト/片山智恵
お腹やわきの下、耳など毛が少ない場所に触れたとき、自分の体温よりはるかに熱い場合は熱中症の可能性が。
目がうつろ
イラスト/片山智恵
体温調節がしっかりできていないと、朦もう朧ろう状態に。目が合わない、まばたきが遅いなどの症状が。
重度の場合
ぐったりしている
イラスト/片山智恵
立った状態を維持できず、苦しそうに横たわっている場合は、かなり重症の状態。意識があるかすぐに確認を。
ヨダレが出ている
イラスト/片山智恵
口元に力が入らずヨダレをたらしている場合も、かなり危険な状態です。こちらも意識の有無を確認して。
熱中症は発見が遅れて重症化すると、最悪の場合命を落とす危険が。「まさか」は5月から起きうるので、この時期からの暑さ対策を徹底しておきましょう。
参考/「ねこのきもち」2019年5月号『さきどり発令! 熱中症注意報』(監修:ノヤ動物病院院長野矢雅彦先生)
文/浪坂一
イラスト/片山智恵
※この記事で使用している画像は2018年7月号『愛猫の健康管理やお世話etc. これはほっとけない!獣医師&専門家が飼い主さんのお悩みにお答えします!』に掲載されているものです。