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愛猫も感じているかもしれない!? 日常に潜む慢性ストレス

飼い主さんにとって、愛猫がストレスを感じているかどうかは最大の関心ごとともいえるでしょう。

ストレスはおもに「急性ストレス」と「慢性ストレス」に分かれ、「慢性ストレス」は猫が継続的に感じているものです。日常に潜む慢性ストレスについてストレス源と対策を紹介します。

これが慢性ストレスのもと!

①飼い主さんにかまってもらえないこと

甘えん坊にはストレスかも

ベタベタ甘えることが多い猫は、飼い主さんへ の執着が強く、ちょっとでもかまってくれないことをストレスに感じやすいでしょう。
よく見られるのは、1人暮らし×猫1匹飼いのお宅。最近、増加傾向にあるようです。
イラスト/内田尚子

専門家から

できるだけ、刺激を与えて

室内で飼われている猫にとって、飼い主さんの存在は大きな刺激となります。忙しくて難しいこともあるでしょうが、猫が甘えてきたときは、なるべく遊んであげたり、やさしくなでてあげたり、 声をかけてあげたり……。
相手をするようにしてあげてくださいね。
撮影/中川文作
とはいえ、遊びが好きな猫でも、いつも同じおもちゃだと、飽きてくるもの。
ふだんは極力しまっておき、遊ぶときだけ出すようにすると、猫はより刺激を感じてくれるでしょう。

②新しい猫が家にいること

安心できる空間が減り、危機を感じる

自分の縄張りに新しい猫が現れると、安心できる場所が減るので、危機感が高まります。新しい猫を 受け入れるまでは様子をうかがい、ストレスを感じ続けることに。その期間が長くなると慢性ストレスの症状が表れ、対策が必要になります。
イラスト/内田尚子

専門家から

できるならトライアルを

新しい猫を迎えると きは対面のさせ方が大切。新入りの猫をしばらくケージやほかの部屋で過ごさせ、先住猫 の様子を見つつ、徐々に対面時間を延ばして いきます。とはいえ、 最後まで距離が縮まらない場合もあるので、トライアル期間を経てから迎えたいですね。できるだけ2匹が顔を合わせることのないように。
撮影/中川文作

③同居猫と仲が悪い事

多くの原因は強い縄張り意識

猫は縄張り意識の強い動物なので、気を許していない同居猫が自分の縄張りに侵入してくると相性が悪くなり、ストレスに。 結果、ちょっと鉢合わせただけで威嚇し合うように。
イラスト/内田尚子

専門家から

できるだけ2匹が顔を合わせることのないように

猫同士の仲をいきなり改善するのは難しいもの。まずは2匹が鉢合わせしないように気をつかいたいですね。猫たちの仲の悪さ具合にもよりますが、時間を区切ってケージを利用したり、部屋を分けたりすることで、改善される可能性も少なくありません。
撮影/中川文作
生きていく上で食事や排泄は大事なこと。その時間だけでもストレスフリーに過ごせるようにしてあげたいですね。フードを順番に与えたりトイレを離れた場所に置いたり、工夫して。

④引っ越しをすること

縄張りを離れることがストレスに

住みなれた環境を離れることは、猫にとってかなり不安で、最も大きなス トレスといえるでしょう。また、飼い主さんもいつもと違ってバタバタ忙しそうにしているため、猫はより不安になるようです。
イラスト/内田尚子

専門家から

できるだけ変化がないように

居住環境が変わるのはやむを得ませんが、それ以外のところはできるだけ 変化がないようにしたいもの。引っ越し時にベッドやトイレなどの猫グッズ を新調したくなることもあるでしょう。 しかし、見知らぬ場所では自分のニオイの付いたグッズが心のよりどころに なるので、徐々に揃えたいですね。

移動のタイミングに工夫を

撮影/中川文作
飼い主さんの様子がふだん通りなら、猫はそれだけで安心しやすくなります。可能なら、引っ越し前に何 度か新居に連れて行って探検させたり、引っ越し先で一段落したあとに呼び寄せたりしても。
撮影/中川文作
引っ越し後も変に気をつかったりせず、前の家でしていた通り、放っておきましょう。気のすむまで探検をさせて。安全だとわかれば、新居を徐々に自分の縄張りだと思うよう になります。

⑤模様替えされたこと

ちょっとの移動も猫には一大事

部屋の模様替えは、引っ越しほどではないにせよ、とくに神経質 な猫などにはストレスの要因になりやすいもの。トイレや爪とぎ器 などの猫グッズをちょっと動かしただけでも、 猫はいつもの場所にないと感じ、とても不安になるのです。
イラスト/内田尚子

専門家から

どこにでも行けるようにしてあげて

猫には一大事の模様替えでも、部屋を自由に行き来できるようにしておけば、自分で勝手に安心できる場所を見つけ、心を落ち着けるでしょう。多くの猫はしばらくすると新しい環境になれます。ですから、飼い主さんも神経質になり過ぎないように気を付けて。
慢性ストレスは、猫が継続的に感じ続けていると最悪の場合病気になってしまうことも。すぐに環境を整えるのは難しいかもしれませんが、ふだんから愛猫の様子に気をかけてなるべくストレスの要因を減らしてあげましょう。



参考/2016年8月号『急性ストレスと慢性ストレス』(監修:帝京科学大学助教 小野寺 温先生)
文/浪坂一
撮影/中川文作
イラスト/内田尚子
※この記事で使用している画像は2016年8月号『急性ストレスと慢性ストレス』に掲載されているものです。
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