猫を飼っていると、お世話の仕方などで誰でも1つや2つは「しくじりエピソード」があるはず。今回は、ベテラン飼い主さんが実際にしてしまった「猫の健康管理でのしくじり」エピソードを集めてみました!
そのときに飼い主さんが本当はどうするべきだったのか、獣医師のアドバイスもあわせてチェックしてみてください。
しくじり体験談1:下痢が続いたのに様子見…
「下痢が続いたのに、様子を見てしまった…結果、何日も下痢の状態で苦しませてしまった…」(兵庫県 Kさん)
先生からのアドバイス「様子見はせずに、可能な限り早めの受診を!」
愛猫が下痢のときは1日、遅くとも2日以内の受診を。長く放置すると体力を消耗し、子猫や体力の落ちた猫は命を落とすこともあります。
■下痢の原因は
下痢の原因は、食べ過ぎや、誤食による中毒反応などさまざまなものがあり、それぞれの原因に合わせた治療をすることが大切になります。
下痢以外でも受診が必要なケースが!
今回紹介した飼い主さんは、愛猫の下痢を様子見してしまったようですが、下痢以外にも即受診が必要なケースがあります。
■原因が思い当たらないのに吐く
嘔吐を繰り返し1日に何度も吐いていたら、一刻も早く受診を! どんな原因であっても猫の体力消費が激しく、最悪の場合は3日程度で命を落としてしまうことも。
■いつもと比べて様子がおかしい
「これくらいなら大丈夫だろう」という飼い主さんの思い込みで、取り返しのつかない状態になってしまうことも。
たとえ些細な異変であっても、迷ったら動物病院へ連れていくことを選んでください。
■誤食した
猫が誤食したときは、便から出るのを待たずに受診しましょう。
飲み込んだものが消化器内に留まってしまうと、開腹・内視鏡手術など、猫の心身に負担がかかる治療が必要になってしまうことも。
しくじり体験談2:キラキラ光るオシッコが出ていたのに様子見で…
「キラキラ光るオシッコが出ていたのに、周りのベテラン飼い主さんに気にし過ぎと言われ、その判断を信じてしまった…結果、尿路結石ができかけていました」(宮城県 Nさん)
先生からのアドバイス「周りの意見に流されず、違和感を覚えたら受診を」
猫には個体差があるため、どんなに猫を飼った経験のある飼い主さんの意見でも、自分の愛猫に当てはまるとは限りません。
もし愛猫の様子に違和感を覚えたら、専門家である獣医師に指示を仰いでください。
■トイレにキラキラしたものがあったら、尿の結晶かも
(写真提供/王子ペットクリニック)
尿石症の症状として、結石になる前の結晶が尿に交じることがあります。その場合、ペットシーツやトイレ砂がキラキラ光って見えることも。
しくじり体験談3:愛猫の持病があるのに、定期検診を受けずにいたら…
「老猫で持病があった愛猫。引っ越しでかかりつけだった動物病院が遠くなり、新しい動物病院が決められず定期検診を受けずにいた…結果、異変に気づいた頃には持病が悪化していました」(京都府 Wさん)
先生からのアドバイス「引っ越し前に、新しい動物病院を探しておけばよかったですね…」
遠距離へ引っ越しがある場合は、引越し先のどこに動物病院があるのかあらかじめ下調べしておくといいですね。
また、調べるときは、どんな分野が得意な先生がいるのかを調べておくといいでしょう。
動物病院の調べ方のポイント2つ
動物病院を探すとき、次のようにリサーチしてみてください。
■引越し先のご近所さんに聞く
現在のかかりつけ獣医師や、もし可能であれば引越し先の周辺に住んでいる人に、おすすめの動物病院の雰囲気を教えてもらうといいでしょう。
■ネットなどで調べる
引っ越し先近くの動物病院をネットで調べて、それぞれどんな分野が得意な先生がいるのかを知っておくと、いざというときに慌てずに対処できるでしょう。
しくじり体験談4:車慣れしていない猫を車に乗せるのがかわいそうで、通院をしぶってしまい…
「吐くのが気になっていたものの、車慣れしていない猫を車に乗せるのがかわいそうで通院をしぶってしまった…結果、病気が進行してしまった」(山口県 Sさん)
先生からのアドバイス「病気が進行するほうがかわいそうです!」
先述したように、繰り返しの嘔吐は危険です。もし猫が嫌がっていても早急に受診して。
また、猫は基本的に車酔いしないので、車に乗って吐いてしまう場合は、ストレスなど別の要因が考えられます。
受診以外のときでも車に乗せるなどして、猫を車内に慣れさせるといいでしょう。
猫を車に慣れさせるときのポイントは……
まず、キャリーケースに猫を入れて、車の中に連れて行きます。その後、運転はせずに、車内で猫におやつを与えるなど繰り返して、車内=「いいことがある場所」だと猫に認識させましょう。
猫が緊張せずにいつもと変わらない様子になったら、そのまま車で近くまで移動してみましょう。
しくじり体験談5:去勢手術をするのが遅くなり、あちこちにマーキングを…
「しようしようと思っているうちに、去勢手術をするのが遅くなってしまった…結果、あちこちにマーキングするクセが…」(群馬県 Eさん)
先生からのアドバイス「去勢手術をしていてもマーキングすることはあります」
オスの去勢手術は、生後6カ月頃に行うのがベストです。飼い始めのときに獣医師に手術のタイミングを相談しておといいでしょう。
しかし、すでにマーキングするクセがついている場合は、手術後でもすることがあります。
「ちょっと様子を見てみようかな」と待っていると、重い病気を見逃してしまうことにも繋がりやすいです。
もし違和感や気になることがある場合は、すぐに動物病院へ行くようにしましょう!
参考/「ねこのきもち」2019年6月号『お世話から接し方まで 防ぎたい先輩の失敗、集めました しくじり飼い主の告白』
(監修:埼玉県日高市のノヤ動物病院院長 野矢雅彦先生)
イラスト/二階堂ちはる
文/sorami