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"立ち寄りやすさ"で猫との出会い増やす。川崎市動物愛護センター

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昭和49年に設立されてから45年間の歴史を持つ「川崎市動物愛護センター」は、市民からのリクエストを受け、2019年に「ANIMAMALL かわさき」という愛称とともに川崎市中原区に移転し新設されました。

今回はその新施設の特徴や新たに始まった取り組みについて取材しました。
※記事内容はすべて、2019年3月6日現在のものです。

”立ち寄りやすさ”で出会いの機会を増やしたい

市民のリクエストにより新施設開設へ

神奈川県・JR平間駅から徒歩7分のところにある「ANIMAMALL かわさき」は、今年2月に開設したばかり。それまでの1974年に建てられた旧施設は老朽化や、狭あい化など多くの問題を抱えていました。
そして2010年、「川崎市動物愛護センター建設に関する請願」市議会で採択され、新設計画が開始。動物愛護にくわしい大学教授やボランティアなどの有識者を集め、あらためて施設のあり方などを検討。京都府や横浜市など他都市の施設を参考にしながら、計画を進め、この度完成しました。

「これまでは立地も悪く、休館日が土・日だったことから来館者も多くありませんでした。それに廊下のケージで猫を管理するなど環境は決してよいものではなく……。新施設は立地や広さを改善、休館日を金・土に変更し、日曜日を開館していることで、来館者が1日平均80人にものぼるセンターに生まれ変わりました」と、「ANIMAMALL かわさき」所長の須﨑さん。

センターの愛称「ANIMAMALL かわさき」の考案者は市内の小学5年生。「動物を守る」と「動物のための施設」を組み合わせたものなのだとか。そんな願いが込められたセンターの全貌をご紹介します。

 撮影/尾﨑たまき

市民が親しみやすい明るく広い空間

旧施設の4倍近い広さをもつ新センターは3階建て。1階には正しい飼い方などを学ぶ適正飼育啓発室や、感染症の疑いがある猫や犬を健康な猫や犬と分けて飼養管理する感染症対策室、地域猫の不妊手術を行う手術室が。2階が犬、3階は猫とゾーンが分けられ、トリミング室や譲渡猫室、検査室などがあり、保護された動物に必要な設備が設置されています。

「まずは一度立ち寄ってもらい、センターについて知ってもらうことが大事だと考え、清潔さや親しみやすさに気をつかいました。新しい飼い主さんとの出会いの機会を必然的に増やすのが狙いです」と須﨑さん。

そう須﨑さんが話すように、天窓から差し込む日光でセンター全体が明るく、気軽に立ち寄れる気分にさせてくれます。

また、小学生から年配の方までどの世代にもわかりやすい大きな文字で、各部屋の解説が入り口や室内に貼られており、じっくり見学できる工夫も。現在は、新しいセンターを知ってもらうため、”バックヤードツアー”を実施し、職員が各部屋の役割や展示イラストの説明などを行っています。

撮影/尾﨑たまき
撮影/尾﨑たまき

以前は施設が狭く、ケージを廊下に並べていた。現在は大きなステンレスケージが室内に置かれ、個別管理を実施。カルテによる健康状態の共有は続行。

 撮影/尾﨑たまき

3階の廊下に貼られた展示。猫のボディランゲージについて描かれたもので、来館者に猫の気持ちを学んでもらう工夫も。

民間企業との連携により猫の生活環境の充実をはかりたい

動物に関わる民間企業とコラボ

上述したような事業のほかに、特筆すべきは、センター内の諸室の一部に「ネーミングライツ制度」を導入していることです。これにより、民間企業と契約を結び、施設内の諸室に企業の名称などを含めた名前を付けてもらい、そのライセンス料として現金や猫タワーなどの物品を提供してもらうことが可能に。
互いにメリットがあるこの仕組みは、動物たちへ安定した環境を継続して提供し続けることに一役買っています。今後も残りの一部の諸室にネーミングライツを募集予定とのことです。

撮影/尾﨑たまき
撮影/尾﨑たまき
撮影/尾﨑たまき

  • (1番上の写真)猫や犬などの通販カタログ「PEPPY」を発行する「新日本カレンダー(株)ペピイ事業部」の猫グッズが設置された「ペピイにゃんmeetsルーム」。
  • (2番目写真)ペットフードメーカー「日本ヒルズ・コルゲート(株)」が命名した「ヒルズ研修室」では動物の栄養学の講演なども実施予定。
  • (3番目写真)マイクロチップを作製する「日特エンジニアリング(株)」が命名した「NITTOKU適正飼育啓発室」では、動物の正しい飼い方のセミナーなどが行われる予定。

寄付による愛護事業の充実の一方で…

川崎市では、2016年に動物愛護基金を設立。18年度も12月末までに1600万円の寄付金が集まり、これらは収容された動物たちの飼育環境の充実や譲渡の支援、ボランティア活動の支援、動物愛護普及啓発活動の充実などに活用されています。
このように動物愛護に対する世間の関心が高まりを見せる一方で、まだまだ懸念点も。

「多頭飼育している飼い主が家賃未納などで立ち退きを命じられた際、猫を置いて出て行ってしまい、残された猫の保護をお願いされることも。未だに動物の命を軽く見ている人がいるということが残念で仕方ありません。こうした人たちの意識を変えていくことも私たちの課題です」と須﨑さん。

以前の施設から建物だけでなく試みも進化した「ANIMAMALL かわさき」。以前のセンターで行っていた、センター周辺の掃除を行いながら、動物の適性飼育に関するチラシを配る「クリーンアップ活動」などの実施も検討しているなど、川崎市の今後の活躍に注目です。

「ANIMAMALL かわさき」所長 須﨑 聰さん

お話をうかがった須﨑さんは、2匹の猫を飼う愛猫家。所長を含め獣医師11名、事務員2名、用務員1名の計14名のスタッフがいます。また、センターの業務支援や運営協力などをする「かわさき犬・猫愛護ボランティア」104名が登録しています。

撮影/尾﨑たまき

問い合わせ先
川崎市健康福祉局保健所動物愛護センター
TEL:044-589-7137

参考/「ねこのきもち」2019年6月号『猫のために何ができるのだろうか』
文/浪坂一
撮影/尾﨑たまき
※この記事で使用している画像は2019年6月号『猫のために何ができるのだろうか』に掲載されているものです。

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