Instagramユーザーの
@yu13mee3さんは、保護猫3匹と生活をしています。猫との暮らしの素晴らしさを教えてくれたのは、突然出会った
保護猫・ふたばちゃん(♂)でした。
突然始まった、ふたばちゃんとの生活 わずか3週間で予期せぬ事態に
当初、保護犬を飼いたいと真剣に考えていた飼い主さん。そんな時期に偶然立ち寄った
カフェで出会ったのが、そこで保護されていたふたばちゃんでした。
「カフェのお客さんが話しかけてきたのがきっかけで、ふたばを家族に迎えることに。その日から突然、猫との生活が始まりました。私の人生で初めての猫でした。
ふたばは人が大好き。初日から一晩中ゴロゴロフミフミで、私と旦那さんの布団を行ったり来たり。『猫ってこんなにかわいいのか!』と幸せを感じた夜でした」
ふたばちゃんがFIPを発症
しかし、その幸せは長く続きませんでした。ふたばちゃんは白血病キャリアで、家に迎えて3週間でFIP(猫伝染性腹膜炎)を発症。闘病生活の末に、天国へと旅立ってしまったのです。
飼い主さんご夫婦との暮らしは、わずか96日でした。
白血病キャリアと知りながら、ふたばちゃんを家族に迎えた飼い主さんご夫婦。一緒に過ごした時間は少ないけれど、ふたばちゃんとの日々は忘れることのできない、かけがえのないものでした。
にこいち兄弟との出会い
ふたばちゃんを亡くした翌年、保護猫の里親募集サイトを覗いてみた飼い主さんご夫婦。そこで見つけたのが、双子の茶トラ。にこちゃん(♂)・いちちゃん(♂)の「にこいち兄弟」でした。
ほかの家で2匹一緒に飼われていたけれど、やむを得ない事情により保護主さんの元へ帰ってきた、にこいち兄弟。突然家族と別れることになった心の傷は大きかったようです。
保護宅では夜になると鳴き叫び、2匹とも飲まず食わずで痩せてしまい、外に逃げ出そうとする時期もあったそう。経験豊富な保護主さんも、「このコたちに里親は見つからないかも」と不安だったのだとか。
そんなにこいち兄弟の状況にようやく改善が見られ、里親募集を出してみたところ、すぐに「会ってみたい」と連絡をしたのが今の飼い主さんなのでした。
不安の中、にこいち兄弟のトライアル開始
にこいち兄弟の境遇や、今の不安な状態を聞きながらも、その事実を受け入れた飼い主さんご夫婦。家族になれるかどうか、トライアルで判断することになります。
家に来た初日、不安から2匹はケージの中でぴったり寄り添い離れなかったそう。ケージの中で騒ぐこともあったといいます。
しかし、翌日には自らごはんを食べ、3日目にはケージを出て家の中を探検! あっという間に馴染んでいったのでした。
心を閉ざしていた2匹の驚きの姿でした。「ここは安心できる場所」と感じたのかもしれません。1週間ほどのトライアルを経て、無事に正式譲渡が決定したのでした。
しなとらちゃんとの出会い
にこいち兄弟を迎えて2年と数カ月が経った頃、新たな出会いが訪れます。それが茶トラのしなとらちゃん(♂)。
しなとらちゃんは、側溝で動けなくなっているところを保護され、警察に届けられました。体は血で汚れており、噛まれた傷がいくつもあったそう。神経を損傷して動けなくなっていたようです。
「命のリレー」で生き延びたしなとらちゃん
「保護されてる間、しなは警察の方の膝の上で温めてもらっていたそう。『命のリレー』とよく聞きますが、しなは消えそうな命を多くの方に繋いでもらいました」
その後、しなとらちゃんは、とあるお店に引き取られます。奇しくもそこは、ふたばちゃんと出会った
カフェだったのです。
そこでたくさんの人の尽力により、メキメキと回復していきました。
そのカフェのInstagramの投稿を見て応援していた飼い主さんは、しなとらちゃんのことがどうしても気になっていました。
「しなは左半身が不自由なのに元気いっぱいで、キラキラしていて明るいコでした。その姿に元気をもらえて、ほぼ毎週会いに行っていました。私より旦那さんのほうが気に入ってしまって」
しなとらちゃんを家族に迎える気持ちが固まると、にこいち兄弟との相性を見るためトライアルを開始。その後、正式に家族になることが決定しました。
ここから、茶トラ3兄弟の新生活がスタートすることになったのです。
互いが心地いい距離感で過ごす3匹
「にこいちは双子猫なだけあって、本当にいつも『にこいち』。見ているだけで癒されます」
「しなは元気いっぱい。『にゃーうー!』と独特の鳴き方をしながら走っていて、見るだけで元気にさせられます(笑)
3匹が毎日何かやらかしてくれるので、笑いが絶えません」
3匹はとっても仲良し……というわけではなく、仲が悪い時期もあったけれど、今ではそれぞれが心地いい距離感で過ごしているようです。
「いっちゃんは頼れるリーダー、にこはおっとり甘えん坊の癒し担当、しなはドタバタお笑い担当」とキャラクターがはっきりしているのも、見ていて楽しそうです。
3匹の存在が、飼い主さんの原動力に
「3匹は守りたい儚い存在であると共に、原動力」と語る飼い主さん。3匹への想いを、次のように話してくれました。
「いっちゃん、いつもみんなをまとめてくれてありがとう。おかげで安心して仕事に行けます」
「にこ、いつもおかーちゃんと一緒にいてくれて嬉しいよ。にこのヘソ天ポーズは我が家の癒しです」
「しな、大変な目にあったんだから、これからはしたいように自由に生きてね。もうそうしてるな(笑) でも、もうちょっとは、にこいち先輩を敬ってや」
飼い主さんは現在、「猫との暮らしで感じられる幸せを多くの人に知ってほしい」と動物愛護センターでのボランティアなどを始めたりと、さまざまな活動をしているそう。
ふたばちゃんから始まり、にこいち兄弟、しなとらちゃんとの出会いは、飼い主さんの人生にも大きな影響を与えているようです。
参照/Instagram(
@yu13mee3、
@tamayuran)
取材・文/凜香