猫のお世話をするうえで、何かと気になってくるのが“飲み水”について。「猫はあまり水を飲まない」といわれていることから、愛猫にたくさん飲んでもらおうと工夫している飼い主さんも多いのでは? 今回は獣医師の藤井先生に、どんな水なら飲ませてもいいのかジャッジしてもらいました。
安全な水なら猫の好みに合わせてOK
猫に与える水は、基本的には水道から注いだ水で構いません。飼い主さんが浄水器を使っているなら、猫にも浄水器の水を与えてもいいでしょう。そのほか、氷水やぬるま湯は、愛猫が好むなら与えてみても。ただし、結露やたまり水など、不衛生な場所の水を飲ませるのは控えましょう。
水道水
猫に飲ませる水は、基本的には水道水でOK。厚生労働省の基準をクリアした水なので、そのまま与えて問題ありません。蛇口に取り付けた浄水器を通した水も、猫に与えてOK。浄水性能にもよりますが、水道水に比べ、カルキなどが除去されまろやかに。
氷水
様子を見ながら与えて、下痢・軟便などをしなければOK。愛猫が好むようなら、たまに与えてもいいでしょう。
ミネラルウォーターは与えてるのはやめて!
ミネラルウォーターの中には、マグネシウムやリンなど尿石症の原因となるミネラルを含むものも。猫に与えるのはやめて。
ぬるま湯
ぬるま湯を好む猫もいますね。猫が好むなら、与えても問題ありません。人肌以下の温度のものがいいでしょう。
控えよう!シンクや風呂場の水
シンクや風呂場のたまり水を好む猫もいます。カビが生えやすい場所なので、直接舐めさせるのは控えましょう。
また、風呂場に猫を出入りさせる場合は、湯を張った浴槽への落下事故が心配。残り湯は必ず抜くか、浴槽に蓋をして事故を防いであげましょう。
これも確認! 「水」のお世話の基本
毎日、少なくとも1回は水を入れ替える
猫がいつでも新鮮な水を飲めるよう、1日1回以上は水を入れ替えて。猫の食事のタイミングなどに合わせて入れ替えましょう。
毎日1回は、器を洗剤で洗う
入れ替える際は、古い水を捨てるだけではなく、毎日1回は器を中性洗剤で洗って。ヌルヌル汚れもきれいに落としましょう。
愛猫のおおよその飲水量を把握する
成猫が1日に必要とする水分量は3〜4㎏くらいの猫で150~200㎖程度(フードから摂取する分も含む)。毎日量る必要はありませんが、使っている器の容量を確認し、水の減り具合から愛猫のおおよその飲水量を把握して。変化があったら気付けるようにしましょう。
猫に与えてもいい水についてわかりましたか? 基本的に飲水量の少ない猫だからこそ、愛猫に飲んでもらう水は体に悪い影響を与えないものを選びたいですよね。猫が安全に好きなものを好きな方法で飲めるような環境を整えてあげたいですね。
参考/「ねこのきもち」2019年7月号『猫の飲み水ウソ・ホント』(監修:獣医師 獣医行動診療科認定医 ペット行動カウンセラー 藤井仁美先生)
文/浪坂一
撮影/石原さくら、栗林 愛、小森正孝
※この記事で使用している画像は2019年7月号『猫の飲み水ウソ・ホント』に掲載されているものです。