しっぽが短い猫は日本でよく見かけますが、実はそのなかには、申請さえすれば「血統書つきの猫」となる可能性がある猫もいるのです。今回は、日本猫唯一の“純血種”ジャパニーズ・ボブテイルの特徴と、日本に短いしっぽの猫が多い理由について解説します。
ジャパニーズ・ボブテイルってどんな猫?
身体的特徴は?
ジャパニーズ・ボブテイルの一番の特徴といえるのが、上の写真のように短く、ボンボンのような形のしっぽです。その特徴的な形は、劣性遺伝によるものだそうです。頭部はほぼ正三角形で、頬骨が高く丸みを帯びており、目は大きな卵型をしています。
体重は2.7kg~4.3kgと小柄ですが、筋肉質で体や足が細長く、スタイリッシュな体型です。前足より後ろ足の方が長く、運動能力も優れています。
どんな性格?
ジャパニーズ・ボブテイルのルーツは、古くから日本に生息している日本猫。性格は日本人の性格ともよく似ており、日本猫らしい優しく温和で賢い性格の猫が多いといわれています。また、人懐っこく人と触れ合うことを好む一面も。
ほかの猫と揉め事を起こすことが少なく、物分かりもいいため、比較的飼いやすい猫種といえます。多頭飼いでも適応しやすく、子猫期からしっかりしつけをしておけば、大きなトラブルも起こりにくいでしょう。
ジャパニーズ・ボブテイルの認定基準
ジャパニーズ・ボブテイルは、唯一の「純血種の日本猫」として世界に認められている猫です。アメリカの認定協会「CFA」では、条件さえ満たしていれば、普通の家庭猫でもジャパニーズ・ボブテイルとして血統書を発行してもらえます。
しっぽの長さが伸ばしても3インチ(約7.5cm)以下であることなどが条件で、尾の骨に欠陥があったり、しっぽが伸びすぎていたり、ふわふわしていてボンボン状になっていなかったりするものは基準から外れるようです。
短尾の猫が日本に多いのはどうして?
昔はしっぽの長い猫が主流だった
日本に現在いる猫は、中国から1000年以上も前に渡ってきたといわれています。昔は主にしっぽの長い猫が貴族の間で飼われていたようです。鎌倉時代に中国からしっぽの短い猫が持ち込まれ、江戸時代の中期には、庶民の間でも短いしっぽの猫を飼うようになったそう。それ以来、短いしっぽの猫は、日本ではおなじみの猫として親しまれています。
日本に多く見られるようになったのはなぜ?
その昔、「まっすぐで長いしっぽを持つ猫が長生きすると、しっぽが二つに割れて“猫又”という妖怪になる」といわれていたのだそう。その言い伝えをおそれた人々が、短いしっぽやかぎしっぽの猫を大切にするようになったという説があるようです。
日本では短いしっぽの猫をよく見かけると思いますが、海外では珍しく魅力的に映るようで、人気があるのだそうです。日本猫唯一の純血種であるこの猫を、大切にしていきたいですね。
参考/「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『ジャパニーズ・ボブテイルの特徴と性格・価格相場|猫図鑑』(監修:CFAオールブリード国際審査員 サンフラワーキャットクラブセクレタリー 高野八重子先生)
文/AzusaS
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。