短毛種・長毛種
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ジャパニーズ・ボブテイルの特徴と性格・価格相場|猫図鑑

ジャパニーズ・ボブテイル
- 英語名
- Japanese Bobtail
- 原産国
- 日本
- 公認団体
- CFA・TICA・FIFe
- 毛種
- 短毛種・長毛種
この記事の監修

高野 八重子 先生
ジャパニーズ・ボブテイルは、短くて可愛らしい、ボンボン尻尾が特徴の猫です。今回は、ジャパニーズ・ボブテイルの起源や特徴、性格などをご紹介します。
ジャパニーズ・ボブテイルの魅力

短くてボンボン状の尻尾が特徴的な、「ジャパニーズ・ボブテイル」。招き猫のモデルとも言われており、古くから日本に生息している日本猫がルーツとなっています。スラリとした体型にくわえて、他の猫と争わない冷静な一面も持ち合わせていることから、大人らしい魅力も備えています。

※文中のグラフは、『猫の教科書』(高野八重子・高野賢治著、緑書房刊)の記述を元に編集室で作成。これらはあくまで目安ですので、飼育環境や状況、個体により異なることがあります。
性格

ジャパニーズ・ボブテイルは、日本猫ならではの優しく温和で賢い性格を受け継いでいます。日本人の性格ともよく似ていますよね。また、クールな見た目とは違って人懐っこく、人との触れ合いを好むのも、人気の理由の一つとなっています。
物分かりが良いため、他の猫と揉め事を起こすことも少ないため、比較的飼いやすい猫と言えるでしょう。ただし、極度に甘えたりすることもあまりないため、たくさん甘えたい飼い主さんからしたら少し寂しいかもしれませんね。そんな性格がゆえ、多頭飼いでも適応しやすい傾向にあります。小さな頃からしっかりしつけをしておけば、大きなトラブルも生みにくいです。
大きさ
ジャパニーズ・ボブテイルの一番の特徴は、劣性遺伝による短くてボンボンのような形の尻尾です。ほぼ正三角形の頭部は、頬骨が高く柔らかく丸みを帯びており、大きな卵形の目が愛らしさをプラス。離れ気味で直立した耳は大きく、鼻筋が通った長い鼻がクールに決まっています。また、口元にある「ウィスカーブレイク」といわれるくぼみも特徴的です。
体重は2.7kg〜4.3kgと小柄ですが、体や足が細長く筋肉質で、スタイリッシュな体型をしています。体型が引き締まったのは、アメリカなどのブリーダーによって改良が行われたからだと言われており、前足より後ろ足の方が長く、運動能力も優れています。
体重 |
2.7〜4.3kg |
毛色の種類
毛の色は単色、二毛、三毛、パーティーカラーなどバラエティに富んでいます。なお、以前はショートヘアしか認められていませんでしたが、現在では、ロングヘアのジャパニーズ・ボブテイルも認められています。
迎え入れ方、価格相場
愛猫の迎え入れ方にはペットショップ、ブリーダーから、保護猫などさまざまな方法があります。例えばペットショップで購入する場合だと、下記のような価格相場です。
価格 | 17万円~ |
寿命と心配な病気
ジャパニーズボブテイルは健康で丈夫な猫種ですが、尿路結石や腎臓疾患などすべての猫一般にかかりやすい疾患には注意が必要です。
ジャパニーズ・ボブテイルの飼い方
ポイント(1)一緒にいる時間をつくってあげられる人向き
遊ぶことが大好きなので、一緒にいる時間を積極的に作ってあげられる人や、遊びに積極的に付き合ってあげられる人などは向いているでしょう。またスキンシップが好きな人にもおすすめです。
ポイント(2)誤食につながるような細かいものは片付けて
猫の健康のためにも、屋内飼育がおすすめです。猫は基本的に夜行性の動物なので、日中は寝て過ごすことが多いため、安心して寝られるスペースを用意してあげましょう。
また、猫は上下運動を好むので、猫タワーを設置したり、上っても大丈夫な場所を部屋に作ってあげたりするといいですね。
ポイント(3)年齢と目的に応じたフードを与えて
主食には、フードと水のみで栄養のバランスがとれるように作られている、総合栄養食を与えましょう。一般食は、栄養バランスよりも食いつきを重視しているため、主食には不向きです。フードのパッケージの裏に総合栄養食と記載されているものを選んで。
猫は、成長や年齢ごとに必要とされる各栄養素の量が異なります。「子猫用」「成猫用」「シニア猫用」「体重管理用」など、年齢と目的に応じたフードを与えましょう。
また、猫はもともと飲水量が少なくても生きていける体の構造ですが、そのぶん、結石症や腎臓病にかかりやすいので、なるべく水分を摂らせるよう注意しましょう。
ポイント(4)1日に5~10分以上は遊んであげて
人とのコミュニケーションは大好き。お気に入りのおもちゃを使うなどして、1日に最低でも5~10分以上は集中して遊んであげましょう。
また、猫は高いところに上る習性があり、屋内という限られた空間でも、立体的な上下運動をさせるようにして。猫ができるだけ自由に活動できるよう、猫タワーを置く、タンスや棚をうまく配置して高いところに行けるなどの工夫を。
まとめ
現在日本に生息している猫は、1000年以上前に中国から渡ってきたと言われています。かつては尻尾の長い猫が主流で、貴族の間で飼われていたそうです。現在よく見られる尻尾の短い猫は、鎌倉時代に同じく中国から持ち込まれました。江戸時代の中期には、庶民の間でも短い尻尾の猫を飼うようになり、それ以来、日本ではおなじみの猫として親しまれています。
1963年、アメリカの猫の審査員が来日した際に、短い尻尾の猫に興味を持ちました。短い尻尾の猫は、当時の海外では珍しかったそうで、1968年には、アメリカ人のブリーダー「エリザベス・フリーレット」さんが、短い尻尾の日本猫を3匹持ち帰って繁殖させました。さらに、米軍基地の愛猫家や獣医師、日本の愛猫家などの協力もあり、100匹以上の短尾の猫が海を渡り、繁殖計画が進められたのです。そして1976年には、CFA(アメリカの猫の血統登録団体)に正式に猫種として認められました。現在はアメリカだけでなく、世界中で広く愛されています。

尻尾が短い猫が日本に多くいるのは何故?
その昔、「長くてまっすぐな尻尾を持つ猫が長生きすると、尻尾が二つに割れて”猫又”という妖怪になる」と言われていました。その言い伝えをおそれた人々が、短い尻尾やかぎ尻尾の猫を大切にするようになったという説があるそうです。こういった伝説が広まっていなければ、もしかしたらジャパニーズ・ボブテイルという猫種も存在していなかったかもしれませんね!


ジャパニーズ・ボブテイルの認定
尻尾が短い猫を飼っている方は、ここまで読んだところで「もしかしたらうちの猫もジャパニーズ・ボブテイルかも?!」と気になっているかもしれません。アメリカの認定協会「CFA」では、普通の家庭猫でも条件さえ満たしていれば、ジャパニーズ・ボブテイルとして認定し、血統書を発行してもらうことができます。
尾の骨は必ずひとつ以上のキンクになっていることや、尻尾の長さが伸ばしても3インチ(約7.5cm)以下であることなどが条件となっており、尻尾が伸びすぎているものや、尾の骨に欠陥があるもの、尻尾がボンボン状になっておらずふわふわしているものなどは対象外となります。登録申請すれば、「尻尾の短い猫」だったのが、ジャパニーズ・ボブテイルという「血統書付きの猫」になる可能性もありますよ。
なお、ジャパニーズ・ボブテイルは、世界に認められている唯一の「純血種の日本猫」です。日本ではよく見慣れた短い尻尾も、海外では珍しく魅力的に映り、かわいがられています。この貴重な血統猫をこれからも大切にしていきたいですね。

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