オリエンタル
- 英語名
- Oriental
- 原産国
- イギリス
- 公認団体
- CFA・TICA・FIFe・GCCF
- 毛種
- 短毛種・長毛種(オリエンタルロングヘア)
オリエンタルは、ポイントカラーのみが認められているサイアミーズ(シャム猫)をカラフルにした猫種。細く優美な体に長い四肢をもち、すべての毛色とパターンが認められています
オリエンタルの特徴・性格・毛色
オリエンタルは、ほっそりと長く、優美で引き締まった体、長い四肢、大きな耳、アーモンド形の目など、サイアミーズ(シャム猫)の体の特徴をすべて引き継ぎながら、150種類以上もの毛色とパターンが認められています。とても甘えん坊で人なつっこい性格や、運動能力の高さも魅力です。
オリエンタルの飼いやすさ 各項目の数値が大きいほど飼いやすい傾向
オリエンタルの性格
サイアミーズ(シャム猫)と同じく甘えん坊で、つねに飼い主さんのそばに寄り添い、遊んでもらうことを好みます。肩やひざにのってコミュニケーションを図り、存在感をアピールします。
オリエンタルの大きさと体型
サイアミーズより一回り大きく、体重は3~5kg程度。骨格が細く、優美ですらりとした体型です。長い円筒形の体は筋肉質で引き締まっています。顔はくさび形で、大きな耳が輪郭のくさび形をさらに強調しています。
体重:3~5kg
オリエンタルの毛色の種類
オリエンタルの毛色とパターンは、150種類以上が認められています。被毛は身体にピタリと張り付き、サテンのような手触りと輝きです。
まれに現れる長毛の個体は、当初は排除されていましたが、近年、オリエンタルロングヘアとして分類るようになり、現在では、短毛・長毛を合わせてオリエンタルと呼ばれています。
目色は基本的にグリーンですが、毛色がホワイトやバイカラーの場合はブルーとオッドアイも認められます。
オリエンタルの心配な病気
・心臓の大動脈弁の周囲が狭くなり血流に異常が起こる「大動脈弁狭窄症」
・網膜が徐々に劣化して失明する「進行性網膜萎縮症」
・血液中の糖分をうまく体内に取り込めなくなる「糖尿病」
・リンパ組織の細胞に腫瘍ができる「リンパ腫」
オリエンタルの価格相場(2024年)
愛猫の迎え入れ方にはペットショップ、ブリーダーから、保護猫などさまざまな方法があります。例えばペットショップで購入する場合だと、下記のような価格相場です。
※ペットショップ・ブリーダーのウェブサイトを編集部で調査(2024年5月)。
オリエンタルの飼い方
ポイント(1)スキンシップが好きな人向き
オリエンタルは、とっても人懐っこく、甘えん坊。スキンシップが大好きなので、一緒にいる時間を積極的に作ってあげられる人、楽しい遊びに付き合ってあげられる人などが向いているでしょう。
ポイント(2)誤食につながるものは片付けて
猫の健康のためにも、屋内飼育がおすすめです。猫は基本的に薄明薄暮性の動物で、日中は寝て過ごすことが多いため、安心して寝られるスペースを用意してあげましょう。
また、オリエンタルは運動能力が高く、上下運動を好むので、猫タワーを設置したり、上っても大丈夫な場所を部屋に作ってあげたりするといいですね。
留守番をさせるときは、入ってほしくない場所には行けないよう制限し、誤食につながるような細かいものなどは片付けておきましょう。
ポイント(3)年齢と目的に応じたフードを与えて
主食には、フードと水のみで栄養のバランスがとれるように作られている、総合栄養食を与えましょう。一般食は、栄養バランスよりも食いつきを重視しているため、主食には不向きです。フードのパッケージの裏に総合栄養食と記載されているものを選んで。
猫は、成長や年齢ごとに必要とされる各栄養素の量が異なります。「子猫用」「成猫用」「シニア猫用」「体重管理用」など、年齢と目的に応じたフードを与えましょう。
また、猫はもともと飲水量が少なくても生きていける体の構造ですが、そのぶん、結石症や腎臓病にかかりやすいので、なるべく水分を摂らせるよう注意しましょう。
ポイント(4)1日5~10分以上は集中して遊びを
オリエンタルはとても活発。お気に入りのおもちゃを使うなどして、1日に最低でも5~10分以上は集中して遊んであげましょう。
ポイント(5)ブラッシングでスキンシップを
獣毛ブラシで、やさしくマッサージをするようにブラッシングを。被毛は短く少ないので、頻繁に行う必要はありませんが、飼い主さんとのコミュニケーションが大好きなオリエンタルには、ごほうび代わりにブラッシングを行うのもよいでしょう。また、飼い主さんの手のひらで体をなでてあげることも喜びます。長毛のオリエンタルは、コームでやさしくとかしてあげるとよいでしょう。
オリエンタルに似た猫の種類
オリエンタルの歴史や背景
サイアミーズ(シャム猫)がタイからイギリスに輸入された1800年代後期、サイアミーズ(シャム猫)と似た細身の体型で、サイアミーズ(シャム猫)とは異なる毛色・パターンの猫たちもイギリスにもたらされましたが、当時はほとんど注目されませんでした。ところが、1950年代以降注目され始め、多くのブリーダーによりさまざまな毛色の猫が作出されるようになりました。
1972年、アメリカのサイアミーズ(シャム猫)のブリーダーが、イギリスで見たこれらの猫たちを「オリエンタルショートヘア」として母国に紹介しました。その後、より美しい体型と豊富な毛色・パターンが作出された結果、1977年にCFAにより公認されました。現在では、長毛のオリエンタルも公認され、短毛と長毛を合わせて「オリエンタル」と呼ばれます。
監修:
高野八重子先生(
ヤマザキ動物専門学校)
参考:『猫の教科書』(緑書房)
写真選定協力:
石原さくら
猫写真家として、「ねこのきもち」表紙他多数で活躍するほか、メディアの出演・講演も多数。著書・共著に「てらねこ 毎日が幸せになる お寺と猫の連れ添い方」(KADOKAWA)、「かわいいかわいい ねこのかぶりもの」(パルコ)など。愛玩動物飼養管理士1級。A級キャットグルーマー。デボンレックスとシンガプーラのブリーディングの経験もあり、猫の品種についての造詣も深い