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飼い主の知識が猫の寿命を左右する!? 慢性腎臓病とは?

シニア猫が最もかかりやすいといわれている慢性腎臓病。完治しない病気のため、不治の病のイメージが強いかもしれません。しかし、最近では早めの適切な治療で「寿命を延ばせる」病気に変わっています。「症状に気づかず末期状態に」ということがないよう、事前に知識を身につけておきましょう。

慢性腎臓病とはどのような病気?

2匹の猫
getty
腎臓の組織「ネフロン」が壊れることで腎臓の働きが低下し、体外に老廃物が出せなくなってしまう病気です。一度壊れた「ネフロン」は再生しないため完治せず、ゆっくりと進行していきます。
最近では、進行を遅らせるための適切な治療やストレスのない環境作りで、今まで以上に長生きできる猫が増えてきました。

どんな猫がかかりやすいの?

遠くを見ている猫
getty
猫の腎臓機能は、8才以上になると衰え始める傾向にあります。そのため、シニア期にさしかかった猫は特に注意が必要です。
また、以前に尿石症にかかったことがある猫も、慢性腎臓病へのリスクが高まります。
そのほか、「遺伝的に腎臓の発達があまり良くない」「血圧が高め」「ウイルス感染症にかかっている」「自己免疫疾患をもっている」猫なども、発症率が高くなる傾向があります。

初期によく見られる症状は?

ごはん 猫
getty

頻繁に水を飲むようになった

飲む水の量が、ふだんの1.5倍以上に増えたら要注意です。
気づきやすい症状のため、「おかしいな?」と思ったら病院に相談してみましょう。

尿の回数と量が多くなった

ふだんの2倍以上に、尿の回数や量が増えたら注意が必要です。
腎臓機能が低下すると尿の色が薄くなるため、「多尿かな?」と気づいたら尿の色をしっかりとチェックし、早めに受診したほうが安心でしょう。

便秘や食欲不振など

多尿により脱水気味になるため、便秘の症状が出ることがあります。
また老廃物を体外に排出することができなくなるため、食欲不振や嘔吐などの症状がでることもあります。

どんな治療をするの?

寝ている猫(白・グレー)
getty

まずは食事療法から

食事で腎臓への負担を減らし、十分な水分補給により脱水症状を防ぐことが、治療の基本となります。療法食は低タンパク質・低リンのものになります。
最近では、食欲が低下しやすい猫のために、嗜好性の高いフードも増えてきました。
「食事療法が、猫の寿命を延ばすために一番効果的」といわれており、療法食の選択肢が増えることで、猫の好みに合うフードが見つけやすくなっています。

脱水症状を緩和させる

普通の水を飲ませるよりも、ペット用補水液を与える方が症状の緩和に役立ちます。
症状が進行した猫には、脱水症状の改善と尿毒症を防ぐために、皮下輸液(点滴)を猫の状態に合わせて行う場合があります。獣医師の指導のもと、皮下輸液を自宅で飼い主さんが行うこともあります。

最新の治療法

腎臓に直接作用する治療薬

近年、動物用医療品として初めて「腎臓機能低下の抑制」の効果・効用が認められた治療薬が発売されました。今までは、直接腎臓に作用できる薬がなかったため、慢性腎臓病の進行を遅らせる効果が望めるようになりました。

透析治療もできるように

人では一般的な透析治療ですが、猫も透析できる時代になってきています。動物用血液透析装置を導入している動物病院もあり、末期の腎臓病の猫には、とても心強い最先端治療法となっています。
治ることのない病気のため、慢性腎臓病と診断されるとショックですよね。
しかし、現在はしっかりと治療すれば「寿命をのばせる」病気です。飼い猫の長生きのために、飼い主さんが事前にしっかりと知識を身につけておくと安心ですね。
参考/「ねこのきもち」2017年11月号『飼い主さんに「できること」が増えている!慢性腎臓病最前線』(監修:東京都北区王子ペットクリニック院長 重本仁先生)
文/nishiyuka
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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