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自宅でもできる?愛犬・愛猫の体温を測る方法【動物看護師が解説】

自宅でもできる?愛犬・愛猫の体温を測る方法【動物看護師が解説】

健康かどうかを判断する目安の1つとなる体温。愛犬愛猫の健康を管理する飼い主さんとしては、自宅で手軽に体温を測ることができれば、いま体はどんな状態なのかをすぐに判断することができますよね。また、普段から習慣付けて測定をしなくても、体が熱いかな?熱っぽいかな?と思った時に自宅で測定をして、すぐその場で答えが出れば安心できる1つの材料となるでしょう。では、自宅での体温測定はどのような方法なら行うことができるのでしょうか。

動物病院なら、直腸温

動物病院での体温測定というと、お尻に体温計を挿入するやり方ではないでしょうか。直腸温は正確な温度が測りやすく、おとなしい犬猫であれば行いやすい方法です。しかし、デメリットとしては、直腸に便が溜まっていた場合便の中に体温計を差し込んでしまい正確な温度が測れなくなること、暴れる犬猫には直腸を傷付けると可能性があるので行えないこと、が挙げられます。

直腸は臓器なので柔らかく、体の動きに合わせてある程度形がかわりますが、体温計はそうではなく真っ直ぐに硬いので、暴れまわると最悪の場合は直腸に傷を付けることになってしまいます。体温計の先が少し柔らかく、動くようになっているものでも限界があるため、挿入の際に嫌がって暴れてしまうと危険が伴います。

安全に測るための決まりがある

直腸温を測るにもデメリットがありますが、それは2人1組、もしくは、1人でも正しい動物の保持の仕方をしていれば事故の可能性を最小限にすることができます。そのため、動物病院では正しいやり方でこの方法を用いるのです。

では、自宅でこの方法ができるでしょうか?一見簡単そうに見える体温測定ですが、実は注意すべきポイントがいくつかあり、知識のない方が行うのは危険が伴います。清潔な体温計を用い、汚染予防をしたら、潤滑剤を使ってお尻に挿入する。ただ、これだけのことですが、犬や猫はお尻にぐっと力を入れて、腰を丸めて、挿入する際に振り向いて嫌がります。どんなにおとなしい犬猫でも、飼い主さんにされるとなると甘えが混じって病院よりもあからさまに嫌がるでしょう。そのため、手技というよりも犬猫の予想もしない動きで怪我をさせる可能性がかなり高いので、自宅での体温測定はあまりお勧めしません。

やるのであれば、プロに指導をしてもらう

挑戦してみたいと思うのであれば、本やネットを見るだけではなく、かかりつけの動物病院へ行って直接指導してもらいましょう。何が違うかというと、実際に行う予定の犬猫で行えば、個体ごとに違いの出るポイントについて、自身のペットではどんな動きに注意したらいいのか、どんな押さえ方をすればいいのかを、学ぶことができます。

また、潤滑剤を使わずに行うのは怪我のリスクをあげるだけなので、病院で使っている潤滑剤を分けてもらえることもありますし、使うならこれがいいとアドバイスをもらえることもあるでしょう。それくらいのこと、と思わずに、きちんと注意点を確認した上で自宅で行うようにしましょう。

猫はやめたほうが良い

特に猫はどんな動きをするかわからず、嫌がり方も激しいのでお互いが怪我をすることになりかねません。また、猫は嫌がって肛門をぎゅっと締めるので、体温計が入れづらく、力一杯挿入すると怪我をさせてしまうかもしれません。猫の体温測定はどんな大人しい猫であっても行わないほうが良いでしょう。

直腸温が難しいのなら、他の部位で

直腸温を測れないのであれば、正確ではありませんが、その他の部位で測定するのも1つの手です。脇の下は犬種や個体によって被毛が多く密生しているので、耳の裏の皮膚の見える部分や、口の中などがよいでしょう。この際は、手で確認するしかありませんので、耳を挟むようにして持つか、歯茎に沿わせて指を入れるようにしましょう。

ただし、たまに体温をみる程度ではどのくらいが平熱かわからないので、頻繁に観察する必要があります。また、飼い主さんの手の温度にも影響されるので、冷たい水を触った後や、体を温めた後は正しい感覚がつかめません。必ず測定前は同じ行動をするようにし、飼い主さん自身も体温を測って、いつも同じような温度で確かめられると良いでしょう。

あれこれ書いてきましたが、1番よいのは体が熱いかな?とか冷たいかな?と感じたら、すぐにかかりつけの動物病院へ行くことです。体温に異常がみられた場合、それ以降の処置を迅速に行ってもらえます。その方が安心なのは言うまでもありませんよね。体温測定で正しい数値が出たからといって、健康であるとは言い切れませんので、何か変化を感じたら受診することを心がけてくださいね。


文/動物看護士 木本 由季
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