猫の「ストレス」というと、発情期の春や暑い夏を気にしがちですが、じつは冬も要注意な季節。獣医師の藤井仁美先生によると、「猫は『寒さ』と、『ふだんと違う状況』に敏感な動物。冬はその2つが揃うので、意外にストレス要因が多い」のだそうです。
「健康維持」に直結するオススメの寒さ対策3つ
冷えは病気を招く要因にもなってしまうので、冬は猫に寒さを感じさせないことが鉄則に。ここではまず、「健康維持に直結するオススメの寒さ対策」を紹介します。
健康維持に直結するのは、食事と排泄。これらが寒さで制限されてしまわないように、過不足なく対策することが大切です。下記で紹介する3つを実践してみてください。
①トイレ周りを冷やさない
トイレやトイレまでの動線が寒いと、猫が排泄を我慢してしまうこともあります。定期的な掃除のほか、足場に布を敷くなどの「冷えない工夫」をして、猫が行きやすいトイレづくりをしましょう。
②水やフードを温める
寒い冬は、飲み水でも体温を奪われるため、水を飲みたがらない猫もいます。ぬるま湯や温めたウエットフードなどを与えて、水分補給&体の内側から温められるといいでしょう。
③部屋の湿度にも配慮する
冬は気温とともに湿度も下がりがちです。乾燥はウイルスを活発化させるなど、猫に病気をもたらす一因になり得ます。加湿器を用いるなどの策を講じるといいでしょう。
猫のストレスにならない暖房器具の使い方
寒さ対策として暖房器具を使用する飼い主さんは多いと思います。ただ、暖めすぎも猫の体の負担になってしまい、トラブルをもたらすことも……。
ここからは、「猫のストレスにならない暖房器具の使い方」について紹介します。下記の3つの点を押さえてくださいね!
①「点」よりは「面」で暖まる器具を使う
猫に使うなら、暖房やホットカーペット、オイルヒーターなど、部屋全体を暖める器具のほうがベターです。温度も暖まるまでの時間も「じんわり」なので、猫への負担も少ないでしょう。
②暖房器具を使わない部屋もつくる
暖房が効いている部屋と、少しひんやりした部屋を猫が行き来できるようにするといいでしょう◎ 部屋ごとに室温を変えれば、猫が好みの温度の部屋を選ぶことができます。
③室温は基本23℃前後に設定する
暖房の設定温度は、猫が快適と感じる22〜24℃くらいが目安です。とくに夜は冷え込むので、帰宅がふだんより遅くなるときなどは、タイマーを設定しても◎
藤井先生によると「診察していると、愛猫が体を壊してやっとストレスを感じていたことに気付く飼い主さんも少なくありません。対策として、日々猫の様子をチェックすることが求められますが、気付きにくいからこそ、猫のストレスの要因を知り、事前に取り除いたり、緩和したりする対策が大切なのです」とのこと。
愛猫と快適な冬を過ごせるように、飼い主さんは正しい寒さ対策をしてあげましょう!
参考/「ねこのきもち」2018年12月号『「寒さ」だけじゃない、「寒さ対策」までもが…じつは多い冬のストレス、大丈夫?』
(監修:獣医師、獣医行動診療科認定医、ペット行動カウンセラー 藤井仁美先生)
※一部の写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
イラスト/ツキシロクミ
文/雨宮カイ