猫も心の病気になることがあります。猫の心の病気とは、攻撃的になったり粗相をしたりといった、俗にいう「問題行動」のこと。
今回は、心の病気になりやすい猫の特徴や、飼い主さんが猫のためにできることについて解説します。
心の病気になりやすい猫の特徴とは
心の病気になりやすいのは「不安」や「退屈」な気持ちを抱えている猫です。例えば、生まれてすぐに母猫から離された猫は精神的に不安定になり、問題行動を起こしやすくなることがあります。これは、母猫から十分なお世話を受けられなかったことが原因と考えられます。
また、室内飼いの猫は刺激が足りずに飼い主さんを困らせる行動に出ることも。猫は室内飼いが推奨されていますが、遊びや運動の時間が足りないと退屈な気持ちになりやすいです。室内飼いの猫であっても狩猟本能は備わっているので、その気持ちを満たす遊びを取り入れましょう。
多く見られる猫の問題行動
猫が「不安」や「退屈」な気持ちになると、問題行動を起こしやすくなります。転嫁性攻撃行動(てんかせいこうげきこうどう)や同種間攻撃行動(どうしゅかんこうげきこうどう)といった攻撃的な行動のほか、繰り返し鳴いたり過剰なグルーミングを行ったりする常同障害、不適切な排泄などが見られることも。どれも飼い主さんを困らせたり、心配させたりする行動ばかりなので放ってはおけませんね。
飼い主さんができること
外の様子がわかるようにする
室内飼いの猫を退屈させないために、外が見られる場所を用意してあげましょう。天気のいい日にカーテンを開けておくだけでもOKです。脱走の危険がないのなら、網戸にするのも◎外の音やニオイを感じることができるので、猫にいい刺激を与えることができます。ただし、ノラ猫が来るような場所を開放するのはNGです。
猫が運動できる環境をつくる
室内で運動できれば、猫が退屈な気持ちになりにくいです。とくに上下運動はエネルギー消費が多いのでおすすめ。キャットタワーを設置すれば、猫が上下運動をしやすくなります。飼い主さんとの遊びでは、じゃらしおもちゃを使って上部に誘導するといいでしょう。
猫を叱らない
猫の問題行動は叱らないようにしましょう。大声を出したり叩いたりして叱ってしまうと、それが猫のストレスになり、かえって問題行動が悪化することがあります。猫から噛まれたり引っかかれたりした場合は、しばらく猫の様子を観察してみてください。叱るよりも攻撃してくる原因を突き止めて、それを取り除くことが大切です。
猫の心の病気についてご紹介しました。猫と楽しく暮らすためにも、猫から「不安」や「退屈」を遠ざけてあげてくださいね。
参考/「ねこのきもち」2018年9月号『最新情報や気になるワードも 猫医療の現場から』(監修:もみの木動物病院副院長 日本獣医動物行動研究会幹事 獣医師 村田香織先生)
文/pinoco
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。