猫は警戒心が強いといわれる動物で、限られた場所や好きな人の前でしかリラックスした表情を見せないことを知っていますか?
この記事では、「猫が心を開いている人にだけ見せるしぐさ」について解説します。「甘えているとき」「要求しているとき」「リラックスしているとき」の3つのシチュエーションごとに、猫が心を開いているサインを見ていきましょう。
猫が見せる「甘え」のサイン
①ふみふみ
猫が人のお腹や布団などを前足でふみふみすることがありますよね。これは、「子猫の頃を思い出している行為」だといわれており、心を許して安心しているからこそできるのです。猫が甘えたいときや、リラックスしているときに、ふみふみすることが多いでしょう。
②ペロペロ舐める
相手のことを信頼して心を開いている猫同士であれば、毛づくろいをし合ったり、舐め合ったりします。人に対しても、心を開いている相手にしか舐めることはしません。
飼い主さんの顔や首をペロペロ舐めることが多いようですが、髪を舐めて毛づくろいをしているかのような気分になるコもいるそう。
③くっついてくる
警戒心の強い猫は、心を許している相手としか体をくっつけて密着しません。心を開いている場合、相手の体に自分の顔やお尻だけをくっつけてみたり、膝や肩の上に乗ってきたりします。その人のニオイや温もりを感じて、安心する猫もいるようです。
④後をついてくる
猫が人の後をついてくるのは、その人の行動を把握して、かまってもらうタイミングを探っているときに見られるしぐさです。これは、大好きな人に甘えたくて仕方がない猫がよく見せる行動です。
⑤コロンとお腹を見せる
猫にとってお腹は急所なので、本来見せることを嫌がりますが、心を開いた人にはお腹を見せることがあります。猫同士の場合では遊びに誘っていることが多く、人に対しては甘えの意味が強いようです。お腹を見せながら、くねくねゴロゴロ体を動かしてアピールすることも。
猫が見せる「要求」のサイン
①ニャーと鳴く
元々単独で行動する猫は、鳴き声でコミュニケーションを取ることはほぼないと言われていますが、心を開いた人に対しては自分の願いや気持ちを伝える手段として鳴くことがあります。
たとえば、「撫でて」「遊んで」「ごはんちょうだい」などの要求がある場合は、上目遣いで訴えるような目を相手に向けて、いつもより少し高めの声で鳴いているかもしれません。
②邪魔をしてくる
心を開いた人に対して、猫はいろいろ邪魔をしてきます。たとえば、パソコン作業をしているとキーボードに乗ってきたり、雑誌や新聞を読んでいると視界を遮ったりなど。ただ、猫は邪魔をしているつもりはなく、「好きな人にかまってほしい」「振り向いてほしい」とアピールしているだけなのです。
邪魔をしないまでも視界に入ろうとしてきたり、飼い主さんの近くや少し離れた場所で振り向いてくれるのを待っているコもいるでしょう。
③ジーっと見つめる
猫にとって目を合わせる行為は本来「敵意」を意味しますが、人に対して猫が視線を送る場合は、何かをしてほしいと伝えたいことが多いでしょう。猫の視線を感じたのなら、それは猫が心を開いているサインといえるかも。
目が合ったとき、猫がゆっくり瞬きをすることがありますが、これは絆が強い人にしか見せない信頼と愛情表現のひとつです。また、遊びやフードを期待しているときはワクワクして瞳孔が(黒目が)大きくなり、目を見開いて輝かせているのがわかるでしょう。
④体や頭をこすりつける
猫が人や家具に体や頭をスリスリするのは、マーキングや挨拶などさまざまな意味があります。心を開いた人に対してスリスリする場合は、「遊んで」や「ごはんちょうだい」などの気持ちを伝えているのかもしれません。
猫が見せる「リラックス」のサイン
①気持ちよさそうに撫でられる
撫でられているときに猫が気持ちよさそうな様子を見せたら、相手に心を開いているサインです。眉間や首、顎など、猫自身では毛づくろいできない部分を撫でてあげると、リラックスして「ニャッ」とうっとりした声が漏れてしまうことも。
②お尻を向けて座る
猫がお尻を向けて座るのは、その人に心を開いているサインです。「この人から嫌なことをされる心配はないな」という、安心した気持ちが表れています。
③ゴロゴロ喉を鳴らす
猫が喉を「ゴロゴロ」と鳴らすことがありますが、基本的には安心できる相手と一緒にいるときに出しています。心を開いている人のそばでゴロゴロと鳴らすのは、身も心もゆだねてリラックスできている証拠でしょう。
猫の表情にも注目してみて!
ここまで「甘え」「要求」「リラックス」のシーンごとに、猫が心を開いているときのサインを紹介してきました。愛猫がふだんから見せる可愛らしい行動そのものが、飼い主さんに心を開いているしぐさやサインだとわかるでしょう。
また、猫の表情からも、その人に対して心を許しているかどうかわかります。たとえば……
- 耳の力が抜けて左右に開いている
- 目が細くなって半開きの状態で、目頭から白い保護膜が出ている
- ヒゲがゆったり垂れている
- 口が少しだけ開き、舌がチョロっと出ている
なども、猫がリラックスできているサイン。リラックスしているために顔の筋肉が緩んだりして、ふにゃっとしたような表情を見せることもあります。ぜひ、愛猫の表情もチェックしてみてくださいね!
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
参考/ねこのきもちWEB MAGAZINE
『気づいてあげたい! 猫が心を開いている人にだけ見せるサイン♡』
ねこのきもちWEB MAGAZINE
『好きな人にはデレデレ!猫の愛の表情を見抜くための4つのポイント』
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
文/sorami