猫と暮らす
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悪気はないのに…猫が飼い主さんを不快に思ってしまう意外な原因
愛猫になにかしたわけではないのに、なんだか避けられているような気がする…と感じたことはありませんか? もしかしたら、飼い主さんが無意識に猫に対して嫌なことをしてしまった可能性もあるかもしれません。
今回は、猫が飼い主さんのことを不快に思ってしまう原因について、ねこのきもち獣医師相談室の先生に聞いてみました!
猫が飼い主さんを不快に思う可能性のある状況とは?

ーー猫が飼い主さんに対して、「不快だな」と思うようなことはあるのでしょうか?
ねこのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「猫が飼い主さんの行動を誤解して、不快感や不信感を抱く可能性はあります。たとえば、『飼い主さんの実際の行動』と『その際に猫が経験した不快な出来事』を結び付けて猫が学習してしまったときに、不信感を抱かれるかもしれません」
ーーどういうことでしょうか…?
獣医師:
「あまり好きではないお手入れや、キャリーに入れて病院などに連れて行くなど、飼い主さんが積極的にしたことだけでなく、悪気なく偶然してしまったことであっても、その結果として猫にとって何か不愉快なことが起これば、その状況を『飼い主さんのそばにいたら突然嫌なことが起こった』と認識してしまうのです。
たとえば、手や足が猫に偶然当たってしまった、たまたま猫のそばで大きな音を立ててしまった、などの状況ですね。
そうすると、猫は飼い主さんに対して不快感や不信感を抱いたり、避けたり嫌ったりするようになることもあります」
環境の変化によっても、飼い主さんを不快に思うこともある?

ーー飼い主さんとしては悪気はないのに…という状況でも、不信感を抱かれてしまうことがあるのですね。
獣医師:
「そうですね。一方で、ペットホテルに預けたり新入り猫を迎えたりなど、生活環境そのものが大きく変化するような経験については、先述の短時間の不快な経験とは異なります。
環境に慣れるまでは警戒心の高まりが持続するため、猫の反応は先述のような状況とはやや異なる傾向があるのです」
ーー嫌なことをされたというのは共通していても、状況が違うのですね。
獣医師:
「警戒心の影響で緊張しすぎて長時間じっとして動けなかったり、飼い主さん以外の人には怯えて威嚇したり噛みついたりなどの激しい反応をすることもあります。
その一方で、気心の知れている飼い主さんに対しては緊張感が和らぐので、むしろ今までよりも積極的にそばに来たり甘えたりする素振りが見られることもあります」
ーーなるほど…逆に頼ってもらえたりもするのですね! 興味深いです。
猫に不快な思いをさせてしまったときのフォローの仕方は?

ーー飼い主さんの行動を誤解して愛猫が不快に思ってしまった場合、飼い主さんはどのようなフォローをしてあげるといいでしょうか?
獣医師:
「悪気はなかったとしても愛猫に不快な思いをさせてしまったら、その不快感から猫の気持ちをさりげなく逸らしてあげる対応をおすすめします。飼い主さんの行動を誤解して避けたり嫌ったりしないよう、愛猫が気持ちを切り替えるきっかけを作ってあげましょう」
ーー具体的にはどのようなことがありますか?
獣医師:
「たとえば、猫の気持ちが落ち着くまで少し待ってから、改めて遊びに誘ったり何かおいしいものを与えたりなど、楽しいことを積極的に用意してあげるといいでしょう。
なおその際、抱っこや撫でたりなど、人のほうから積極的に近づいて触るのは嫌がってしまうことがあるので、やめたほうがいいですね。猫のほうから体を擦り付けてきたり、撫でてほしそうに近づいて来たら、それに応えるかたちでさらにスキンシップを深めましょう」

飼い主さんも覚えていないような些細な出来事をきっかけに、愛猫から不快に思われてしまっている可能性もあるようです。飼い主さんはぜひ覚えて、愛猫とのコミュニケーションに役立ててください!
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」にご投稿いただいたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/Honoka
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