猫と暮らす
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猫の「反省していない」ように見える態度のホントの理由
愛猫がイタズラをして注意したとき、プイっとした態度をとられたことはありませんか? 「まったく…全然反省してないな」と飼い主さんは思うかもしれませんが、ねこのきもち獣医師相談室の先生によると、この反応には猫なりの理由があるそうなのです!
叱られた猫が見せる「悪いと思ってなさそうなしぐさ」の真相
ーー愛猫がイタズラをしたときなど、飼い主さんが叱ることがありますよね。でも、そのときの猫の態度を見て「このコ、反省してないな」と感じることもあるようです。猫は怒られたことを気にしていないのでしょうか?
ねこのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「 飼い主さんが愛猫の目をしっかりと見つめて叱ったのに、プイっと目をそらされてしまうことがあります。そんなときに、『このコは全然反省していないな』と思ってしまいがちかもしれません。
猫がこのようなしぐさをしたとき、じつは叱られたことをしっかりと認識しています。これは無意識なのではなく、『猫の習性によるもの』であると考えられます」
猫の世界では、視線を合わせたままにするとケンカに発展してしまう
ーー叱られたことは認識しているけれど、そういう態度には見えないのですね。どのような猫の習性が関係しているのでしょうか?
獣医師:
「猫同士で視線を合わせたままにしておくとケンカになる恐れがあるため、猫たちは目をそらすことで争いを避けています。つまり、目をそらすことで『相手に対して敵意はありません』と伝えているのです」
ーーなるほど! ということは、飼い主さんが叱っているのに目をそらすというのは…
獣医師:
「飼い主さんに対して『敵意はないですよ、叱られたことも認識していますよ』ということを示している考えられますね」
「叱られたから改善しよう」という思考は猫にはない
獣医師:
「ちなみに、人間が思うような『叱られている→あれはやってはいけない→改善しよう』という気持ちや思考の流れは、猫にはありません。ただ単純に、
といった本能的な感じです。飼い主さんが叱っていることに対して萎縮したり、逃げたりなどの反応はするけれど、叱られたから次はやらないように気をつけよう、とは思わないのです」
ーー飼い主さんは改善させようとして叱っていると思いますが、猫はそのようには受け取れないのですね。
飼い主さんの「下手な叱り方」って?
ーーこんな叱り方だと猫は理解できない…というような、飼い主さんの「下手な叱り方」はどのようなものでしょうか?
獣医師:
「人間の世界の倫理は、猫にはないです。なので、後から怒られて説明されても猫は理解できませんし反省できない、ということは覚えておく必要がありますね」
ーーでは、猫を叱る場合、飼い主さんはどのように叱ったらいいのでしょうか?
獣医師:
「イタズラと同時、もしくはやろうとしているときに嫌いな音を出す、などが主流です。ただ、これはタイミングがとても難しく、人がやっていることを見られないようにしなければならないので、さらに難しいです。
猫のしつけはとても難しいので、物理的にイタズラしてほしくないものは置かないなどの対策をするほうが簡単ですね」
一見、反省していないように見えても、猫は飼い主さんに叱られたことを認識しているようです。ただ、「改善しよう」とは思わないそう。
飼い主さんはこのことを忘れず、叱り方のポイントなども意識してみてくださいね!
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」にご投稿いただいたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/雨宮カイ
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