猫と暮らす
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猫が二本足で立つときの状況と気持ち ジレンマのあらわれのことも!?
猫が二本足だけで立つ姿を見たことがありませんか? ふだんは四足歩行の猫が突然立ち上がったら、驚いてしまいますよね!
猫が二本足で立ち上がるのはどのような状況のときで、どのような心理のときなのか…ねこのきもち獣医師相談室の先生に聞いてみました!
猫が二本足で立つシチュエーション
ーー猫はどのようなときに二本足で立ちますか?
ねこのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「二本足で立つ理由としてまず考えられるのは、四本足で普通に立っているときよりも視点を高くするためです。
たとえば、遠くにあるものや音に注目したり、ちょっと高さのある障害物の向こう側をのぞき込んだり、少し高い場所のものを狙ったりなど、そのときに気になるものをできるだけ正面から確認するために、自然にそのような姿勢を取ることがあると考えられます」
ーーなるほど。好奇心によって二本足で立つことがあるのですね。
獣医師:
「また、偶然立ったところを飼い主さんに褒められたり、飼い主さんに甘える際に立って気を引いたら成功したなど、『立つと良いことがある』と学習した猫の場合は、人の前で敢えて立ってアピールをしたりすることもあるでしょう」
二本足で立ちやすい猫の特徴
ーーどのような猫が二本足で立ちやすいなど、なにか傾向はあるのでしょうか?
獣医師:
「視点を高くしようとする行動の場合には、好奇心と警戒心の両方の気質を持っている猫がそのような行動を取りやすいのではと考えます。近づくのはちょっと怖い、でもちゃんと見て確認もしたい…というジレンマがある状況かもしれません。
好奇心が強く警戒心が低い気質の猫であれば、立ち上がって確認するよりもむしろ直接近づくなど、より積極的に行動する可能性が考えられます。
一方、好奇心はあっても警戒心がより強い猫の場合は、刺激に対してはとっさに身をかがめて止まり、そのままじっと状況を見るか、いっそ安全な高い場所に素早く移動しそこから改めて状況を見るなど、より慎重な行動をとる傾向があるでしょう」
ーー性格が行動によくあらわれていますね!
獣医師:
「そうですね。ちなみに、人の気を引こうと立つ行動をしがちな猫の場合には、甘えん坊で積極的に人との関わりを好む気質だと考えられます」
猫は二本足で立っても体に負担がないの?
ーー二本足で立つことは、猫への負担はないのでしょうか?
獣医師:
「元々の体の構造的には、二本足で立つことには適していません。腰や後肢の関節に負担がかかることがあります。そのため、猫が自発的にその行動をするのでない限りは、人から誘うなどの方法で猫に二本足で立つよう促すのは勧めません」
猫が二本足で立つのは、なにか目の前に気になるものがあってよく確認したいときや、甘えん坊で飼い主さんの気を引きたいタイプの猫に見られる行動だそうです。
猫が自ら立ち上がるのは問題ないようですが、芸として覚えさせたりするのは猫にとって負担になってしまうので、注意してくださいね。
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/柴田おまめ
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