愛猫のためを想ってしていることでも、なかには、かえって愛猫の健康を損ねたり、飼い主さんとの関係に影響を及ぼしたりしている場合が。やりがちなお世話に潜むリスクと、長寿につながる正しいお世話の方法を獣医師の小林清佳先生にうかがいました。
NGお世話1 フードは猫が食べたいときにいつでも食べられるよう、出したままにしておく
猫の食事量は、年齢や体重によって目安があります。フードを出したままにしたり、つぎ足す方法で与えていたりすると、摂取量が管理できず肥満につながることが。また、出したままにすると、フードの酸化が進み、傷みやすいリスクもあります。
1食分を量り、食事量を把握して
フードはつねに新鮮なものを、毎食量って適正量与えると、過剰摂取を防ぐことができ、さらに愛猫の食欲の増減も確認しやすいでしょう。まとめて量って1食分を小分けにしておくのも手です。フードの適正量はパッケージに書かれた量を参考にし、体調によっては獣医師に相談しても。
NGお世話2 吐き戻さないようにフードを必ず手から与えている
過剰なお世話は、飼い主さんの不在時の過ごし方に悪影響が。この場合、「飼い主さんがいないと食べられない」となる危険があります。また、不安から粗相や体調悪化につながる場合もあります。
早食い防止のフードボウルで与えて
吐き戻しの原因に早食いが考えられます。凹凸の付いたフードボウルなどに入れてゆっくり食べさせてみるといいでしょう。また、最初は飼い主さんが見守ってもいいですが徐々に姿を見せないようにし、飼い主さんがいなくても食べられるようにしましょう。
NGお世話3 ゴハンを食べたがらないときはすぐにおやつを与える
ゴハンとしてのフードは、猫の必要栄養バランスが整えられた総合栄養食のものを与えるのが一般的。おやつは嗜好性が高くつくられているので食いつきはいいですが、総合栄養食ではないため、そればかりだと栄養が偏り、肥満などにつながる恐れも。
フードに、猫の興味を引く工夫を
いつものフードに変化を出すことで、興味を示してくれる場合も。たとえばぬるま湯を少しかけてフードのニオイを立たせたり、おやつを少量トッピングとしてフードにのせたりするのも○。ただしおやつの場合は、カロリーを計算して与えましょう。または猫が空腹でない場合もあるので、時間を空けて与えてみてもいいでしょう。
いかがでしたか?
食事管理は健康寿命のために大切なお世話のひとつ。
今日からさっそく取り入れてみましょう。
参照/『ねこのきもち』2020年10月号「猫の長生きを想って本当にすべきお世話のこと」(獣医師 小林清佳先生監修)
文/Carrie-the-cat
撮影/尾﨑たまき
イラスト/ネコポンギポンギ
※この記事で使用している写真は2020年10月号「猫の長生きを想って本当にすべきお世話のこと」に掲載されているものです。