冬は猫のストレス要因がいっぱいなのを知っていますか? 「寒さ対策をしていれば大丈夫」と思うかもしれませんが、飼い主さんのよかれと思った対策が、猫のストレスになることもあるようです。
この記事では、猫にはストレスになりがちなNG寒さ対策4つについて紹介します。
こんな寒さ対策してない!? 猫にNGな寒さ対策4つ
①暖房器具を複数扱っている→NG!
部屋の中でいくつも暖房器具を併用していると、部屋が暖かくなりすぎてしまいます。そうなると、猫がのぼせてしまう恐れも。
②温度設定が夏と同じで28℃にしている→NG!
冷房の設定温度は28℃が理想ではありますが、暖房で28℃設定にしてしまうと部屋が暖まりすぎて、猫が暑がる可能性があります。
③全部屋で暖房をフル稼働している→NG!
「どこの部屋にいても寒くないように」とすべての部屋を暖めてしまうと、猫が暑いと感じたときに涼める場所がなくなってしまいます。
④猫のためにスポット暖房器具を設置している→NG!
たとえば、カーボンヒーターなど部分的に暖める暖房器具は速暖性に優れてはいるものの、器具自体も高温になるので、猫が触れると危険な場合も。
暖めすぎると猫の体には負担になってしまうので注意!
猫は寒さに弱い動物ではありますが、現在の飼い猫ももともとは外で暮らしていたので、体を丸めるなどしてある程度は自分自身で防寒することが可能に。
そのため、部屋を暖めすぎてしまうと、猫にとってはストレスとなってしまい、トラブルをもたらすこともあるのです。
冬でも熱中症になることも!
暖房器具で起こりやすいトラブルには、下記のようなものがあります。
- 熱中症
- 低温やけど
- 暖房器具のオン・オフ時の寒暖差による体調不良
などです。冬でも熱中症になることもあるのは覚えておきたいですね。
猫にストレスにならない暖房器具の使い方3つ
猫にとってストレスにならない暖房器具の使い方のポイントとしては、下記を意識してみてください。
①「点」よりは「面」が温まる暖房器具を使おう
猫に暖房器具を使うなら、暖房やホットカーペット、オイルヒーターなどの部屋全体を暖める器具のほうがいいです。部屋が暖まるまでの時間もじんわりなので、猫への負担も少ないでしょう。
②室温は基本23℃前後に設定しよう
暖房の設定温度は、猫が快適だと感じる22〜24℃くらいを目安に。とくに夜は冷え込むので、もし飼い主さんの帰宅がふだんよりも遅くなるときなどは、タイマーを設定するのもいいと思います。
③暖房器具を使わない部屋もつくろう
暖房が効いている部屋と、少しひんやりした部屋を猫が行き来できるようにしてあげましょう。部屋ごとに室温を変えれば、猫が好みの温度の部屋を選ぶことができます。
猫はストレスを感じていたとしても、なかなかSOSを出すことができません。猫がストレスになるものを知って、トラブルを防ぐようにしましょう。猫の「快適さ」を意識して、寒さ対策をしてあげてくださいね!
参考/「ねこのきもち」2018年12月号『「寒さ」だけじゃない、「寒さ対策」までもが…じつは多い冬のストレス、大丈夫?』
(監修:獣医師、獣医行動診療科認定医、ペット行動カウンセラー 藤井仁美先生)
イラスト/ツキシロクミ
文/sorami