猫と暮らす
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なぜ猫に「慢性腎臓病」が多いのか? かかりやすい猫や症状
「慢性腎臓病」は猫、なかでも特にシニア猫に多い病気です。1度発症するとゆるやかに進行するため、長い付き合いになるのもこの病気の特徴。特にかかりやすい猫や、飼い主さんにも気づきやすい症状などを知っておきましょう。
なぜ猫に「慢性腎臓病」が多い?
「慢性腎臓病」とは、腎臓を構成する組織「ネフロン」が壊れ腎臓の機能が低下し、血液中の老廃物を体の外に出せなくなる病気です。ネフロンは1度壊れると再生しないため、症状はゆるやかに進行します。
猫の「ネフロン」の数は犬の約半分。さらにタンパク質を多く摂る一方で飲水量が少ないことから、猫は老廃物の代謝の過程で腎臓に負担をかけやすいのではないかと考えられています。
かかりやすい猫は?
・8才以上のシニア猫
・尿石症にかかったことがある猫(特に尿管に結石ができた経験がある場合は要注意)
・遺伝的に腎臓の発達が悪い
・血圧が高い
・ウイルス感染症にかかっている
・自己免疫疾患をもっている
・急性腎不全にかかったことがある
毒性の物を口にしたときや尿路の異常で発症する急性腎不全は、すぐに処置をしないと命に関わる病気。回復後も、慢性腎臓病を発症する可能性が高いです。若い猫でも注意を。
また尿石症は、特に冬にかかりやすい病気といわれています。こちらも予防と対策を心がけましょう。
どんな症状がみられるの?
飼い主さんが気づきやすい症状として、水をよく飲むようになることが挙げられます。急に普段の1.5倍以上飲むようであれば、慢性腎臓病などの病気を疑いましょう。また、尿量や回数が普段の倍以上になり、水のように薄いおしっこが出ている場合も要注意です。
そのほか、脱水気味になり、体に老廃物が溜まるため
・便秘になる
・食欲が落ちる
・ときどき嘔吐する
・貧血になる
といった様子が見られます。また「オシッコが出ない」「頻繁な嘔吐や下痢」が見られるようになったら、末期のおそれも。
日頃から愛猫の観察を
慢性腎臓病の症状が出るのは、腎臓が66%以上機能しなくなってから。しかしそれからでも、腎臓病の療法食や飲み薬、補水液、皮下輸液(点滴)などで、症状の進行をゆるやかにする治療ができます。中には、動物用の血液透析装置を導入している動物病院も。
少しでも早期発見につなげるため、小さな変化を見逃さないよう、まずは日頃から愛猫の飲水量やオシッコの量、色などをチェックする習慣を。少しでも様子がおかしいと感じたら、すぐにかかりつけの獣医師に相談してください。
参考/「ねこのきもち」2017年11月号『飼い主さんに「できること」が増えている!慢性腎臓病最前線』(監修:王子ペットクリニック院長 重本仁先生)
文/momo
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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