大好きな愛猫とはいつだってスキンシップをとりたいものですが、猫アレルギーをもっている人は、症状を抑える対策も同時に必要です。ではその方法とは? 人のアレルギーにくわしい海老澤先生にくわしく教えていただきました。
まずは知っておきたい猫アレルギーについて海老澤先生にお答えいただきました。
Q猫アレルギーはどうしたらわかるの?
A血液検査が一般的
血液を採取し、アレルゲンへの反応を見る特異的lgE抗体検査が一般的。一度の採血で複数のアレルゲンに対する反応を調べることができます。そのほか、皮膚に血が出ない程度に傷を付け、少量のアレルゲンエキスを置いて様子を見る、プリックテストなども。
ねこのきもちスタッフKが健康診断で受けたアレルギー検査の結果。「ネコ」に対する数値が高いことがわかります
Qどのように治療するの?
A薬で症状を緩和します
猫アレルギーは完治することが難しく、目のかゆみや鼻水、くしゃみなどの症状を、そのつど薬で抑える「対症療法」が一般的。くしゃみ・鼻水・かゆみには「抗ヒスタミン剤」、呼吸器の症状には「気管支拡張剤」などを服用し、症状を抑えます。
Q今は反応がなくても今後発症することはある?
A残念ながらあります
たとえば猫を新たに迎えるなどして、アレルゲンの量が急激に増えると、発症することがあります。また、ふだんは平気でも、体調を崩して免疫力が下がると発症することもあるので、今発症していない人も、今回紹介する対策をしておけば、予防になるでしょう。
Q幼少期から猫を飼うと発症しにくいというのは本当?
Aたしかに症状が出にくくなることも
アメリカでは「乳児期から動物を飼っている家で育った子供が6才までにアレルギーを発症する確率は、飼っていない人の子どもの約半分」という調査結果も。アレルゲンを徐々に体内に取り込んでアレルギーをブロックする抗体ができたためと考えられます。
猫アレルギーの実態がわかったところで、具体的な対策をご紹介します。
対策①下毛を取るようにブラッシング
猫の毛はアレルゲンが付着しているので、ブラッシングで取り除くのは効果的です。ただし、表面の毛でなく内側の細くやわらかい毛(下毛)も取るように、毛をかきわけてブラッシングを。できれば猫アレルギーではない家族にお願いするか、やむを得ず自分で行う際は発症しないようにマスクを着用して行って。
対策②粘着クリーナーで掃除+なるべく布製品を置かない
粘着クリーナーで抜け毛を取り除くことも大切ですが、とくに布製品は静電気などでアレルゲンが付着しやすい傾向が。ソファは布地のものを避けるか、カバーをかけると○。アレルゲンは水に溶けやすいため、カバーをこまめに洗濯することで対策になります。
対策③空気清浄機のフィルターはこまめに掃除を
空気清浄機を設置していても、フィルターが汚れていると抜け毛をキャッチする効果が落ちてしまいます。フィルターは定期的に水洗いをして※。日干しにすると、殺菌されてさらにいいでしょう。
※お手入れ方法は製品によって異なります。
いかがでしたか? 対策だけで付き合えることもありますが、症状には個人差もあるので、症状が見られる場合は専門医に相談を。
参考/「ねこのきもち」2020年11月号『あの人もじつは 猫好き、ときどき猫アレルギー』特集(国立病院機構相模原病院臨床研究センター センター長 海老澤元宏先生監修)
文/carrie-the-cat
※この記事で使用している画像は2020年11月号『あの人もじつは 猫好き、ときどき猫アレルギー』特集に掲載しているものです。