猫と暮らす
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猫が「アジサイ」を食べると命の危険も!? 注意すべき植物の例を獣医師が解説
今回、ねこのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
猫がアジサイを口にすると危険な理由
「アジサイは人では中毒物質としては有名ですが、動物でも同じように中毒が引き起こされます。
人の場合は死に至ることはありませんが、嘔吐、めまいなどの体調不良を引き起こします。しかし、猫がアジサイを口にした場合は、最悪死亡することもあります」
「アジサイは花や葉、茎など、ほぼすべての部位に中毒を引き起こすほどの毒が充分に含まれています。アジサイからは3種類の青酸配糖体が分離されたという報告がありますが、それらの詳しい情報はまだわかっていないようです」
「猫がアジサイを口にした場合、少量であれば嘔吐、元気がなくなるといった症状がでます。大量に食べてしまうと昏睡状態、呼吸困難、麻痺、痙攣、下痢などを経て、最悪の場合は数日で死に至るので、注意が必要です」
猫がアジサイを食べた…飼い主さんがとるべき対応は?
「食べたアジサイがまだ口に残っているようであれば、そのアジサイを猫の口からつまみ出してください。
食べていないアジサイの残りの部分と見比べて、飲み込んでしまった可能性があれば、早く食べたアジサイを吐かせなくてはなりません。すぐに動物病院に連絡し、胃洗浄、または吐き出させるよう処置をしてもらう必要があります」
「アジサイを食べてから時間が経って気づいた場合や、症状が現れてからわかったということであれば、すでに毒の吸収が始まってしまっているということなので、時間的余裕はありません。一刻も早く処置が必要になるので、すぐに動物病院へ連れて行きましょう」
アジサイ以外にもある! 猫が口にすると危険な植物
「植物の中の野菜にはなりますが、よく知られているのはネギ科のものです。また、アボカドも中毒を起こすといわれています。
家庭に飾られることのある植物で、猫にとって注意が必要なものもあります。たとえば、ユリ科の植物(スズラン、チューリップ、ヒヤシンスなど)は猫にはとっては猛毒となる植物です」
「花瓶にユリをいけている場合は、その水にも注意が必要です。量にもよりますが、摂取すると腎臓への毒性から急性腎障害を引き起こし、死に至る場合があります。
花、花弁、花粉、葉、茎などどの部位でも、少量摂取しただけで危険です。猫のまわりにユリ科の植物は決して置かないようにしましょう」
「観葉植物の幸福の木は葉に強い毒性があり、口にすると嘔吐、下痢、手足の腫れ、麻痺などを引き起こすことがあり、死に至る場合もあるので、注意が必要です。
このように、あげるときりがありませんが、家にありそうなものとしてはジャスミン、ルピナス、スイセン、バラ科(ウメ、モモ)、ナス科(トマト、ナス)、ツツジ科(ツツジ、サツキ)、スミレ科(パンジー、ビオラ)、キンポウゲ科、キキョウ科のものが、猫が口にすると命にかかわる危険度が高い植物になります」
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami
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