猫にはさまざまな毛柄がありますよね。それぞれ個性があってとても可愛いですが、実は毛柄によって、よくみられる性格が異なるのです。そこで今回は、5種類の毛柄と性格の関係を解説します!
さまざまな毛柄は突然変異を繰り返した結果
飼い猫の祖先は、アフリカ大陸に住むリビアヤマネコです。リビアヤマネコはしま模様で、この毛柄の遺伝子が突然変異などを繰り返しながら世界各地で複雑に絡み合い、多種多様な毛色や模様が生まれました。
父猫と母猫から受け継いだ遺伝子がペアとなって、猫の毛柄は決まります。さらに毛柄の遺伝子には2種類あり、子の世代で出るものや何世代もあとに出る可能性があるものも。同じ親猫から生まれても、受け継ぐ遺伝子、働く遺伝子は猫によって異なるのです。
穏やかな黒猫
黒猫は歴史的にも人との関係が深く、猫についての記録で日本最古のものが、平安時代初期に宇多天皇が飼っていた黒猫です。江戸時代には、黒猫を飼うことで結核が治るという噂からブームになったこともあります。
黒猫は目立たず敵に狙われにくかったためか、穏やかで友好的な性格が多いようです。
白猫は繊細で注意深い
白い毛色をつくる遺伝子はとても強く、「絶対優性の白」と呼ばれることがあります。猫がほかの毛色や模様をつくる遺伝子をもっていても、白い毛色をつくる遺伝子が毛色を白1色にしてしまうのです。そのため、白の親猫からは白猫が生まれやすい傾向があります。
ただ、野生で目立つ色の白猫は、敵に襲われやすかったと思われます。その名残なのか、繊細で注意深い性格が多いようです。
飼い主さんには甘えん坊なキジトラ
キジトラは日本の猫にとくに多い毛柄で、鳥のキジ(メス)に色柄が似ていることから日本でこの名前がつけられました。魚のサバ(英語でマッカレル)に模様が似ていることから、専門的にはマッカレルタビーと呼ばれています。
最も野生の猫に近く、毛柄をつくる遺伝子の構成がほぼ同じのキジトラ。そのためか、警戒心が強く慎重な性格が多くみられます。一方で、飼い主さんには甘えん坊になりがちです。
茶トラは欲求にストレート
茶トラはキジトラと同じ魚のサバ(マッカレル)のような模様なので、専門的にはレッド・マッカレルタビーと呼ばれています。また、その色合いから、アメリカではジンジャー(生姜)と呼ばれることも。
遺伝的にオスのほうが多いため、「欲求にストレート」「甘えん坊」といった、オスの特徴的な性格がみられる場合が多いようです。
野性的で活発なサバトラ
サバトラの模様も、キジトラや茶トラと同じく魚のサバに似ているため、マッカレルタビーと呼ばれています。毛色をシルバーにする遺伝子が働いていて、色もサバに似ていることから、日本ではサバトラと呼ばれるようになりました。
猫の祖先のリビアヤマネコと、人為的に誕生した洋猫にも遺伝的に似ているため、野性的で慎重かつ活発な性格が多いようです。
毛柄によって性格の傾向が異なるなんて面白いですよね。とても奥深い猫の毛柄の世界。気になる方は、好みの毛柄についてチェックしてみてください!
参考/「ねこのきもち」セレクション『KEGARA図鑑』
文/えむら若奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。