寒くなるにつれ、だんだんと眠る時間が長くなる猫。猫のかわいい寝姿って、見ているだけで癒されますよね。さまざまな寝方をする猫ですが、寝方によって気持ちはどう変わるのでしょうか。
哺乳動物学者の今泉忠明先生に、猫の寝方別の心理を教えていただきました。
【まぶしい寝】前足で目元を隠すのは、まぶしいから?
暗闇の中でも狩りができる猫の目は、わずかな光も感じやすいため、目を閉じていてもまぶしいときはさらに目元を前足で隠すことがあります。本当は楽な姿勢で寝たいところを、まぶしさで目を覆いながら寝ているのですね。
別名で“目隠し寝”、両前足で目元を覆う寝姿は“エックス”“バッテン”とも呼ばれます。
【ヘソ天】安心してお腹を見せて仰向けでぐっすり
今泉先生によると「野生でこのポーズで寝るのは天敵がいないライオンだけ。飼い猫も、敵がいないと感じているからこそ無防備な姿で寝られるのです」というヘソ天。急所であるおなかを見せて眠るポーズは、完全に安心しきっているしるしなのです。
さらにリラックスすると“ばんにゃい”(前足を上げてバンザイしているようなポーズ)になることも!
【アンモニャイト】暖をとりつつ、周囲のニオイをシャットアウト
丸くなっている姿がアンモナイトの化石に似ていることからこの名がついた“アンモニャイト”。からだの熱を外に逃がさない体勢なので、少し肌寒い日に見られやすい寝方です。また、猫が自身のニオイを感じられて、安心感を得られるという効果もあるようです。
【ごめん寝】香箱座りから寝落ち!?
「ごめんなさい」と頭を下げているみたい、とSNSなどで話題になった寝方で、“すまん寝”“土下座寝”と呼ばれることも。「“香箱座り”(両前足を折りたたむ座り方)でうとうとしているうちに、頭が下がってぐっすり寝てしまったのでしょう」と今泉先生。首の後ろを伸ばしたいときや、まぶしいときにするという説もあります。
【のびのび寝】脱力しきった、リラックスポーズ♪
前足も後ろ足も脱力し、すぐには立ち上がれない無防備なこのポーズは、リラックスして寝ている証。お腹側を広く床につけられるので、暑いときはひんやりした床、寒いときはホットカーペットの上などで、涼や暖をとることも。“ヘッドスライディング”“スーパーマン寝”とも呼ばれます。
からだの柔らかさを活かしてさまざまなポーズで寝る猫たち。体温調節をしていたり、ストレッチも兼ねていたりと、いろいろな理由が隠されていることがわかりました。
かわいいポーズから気持ちや状況を読み取りながら、猫の安眠を見守りたいですね。
参考/「ねこのきもち」2019年4月号『どうしてするの? どんな気持ち? We Loveニャンポーズ』
文/Ru-Rie
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。