猫が好き
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ケガした子猫を保護。里親を探すつもりが病院で診察券を作ったことで芽生えた『飼い主の自覚』
家族と一緒に初めての子猫の世話と看病…腰を痛めても這って続行!
獣医師の診察によると、子猫には何かに咬まれた傷が2か所ありましたが、「前足が動く可能性はある」と言われ、飲み薬による治療をすることになりました。病院ではご飯も出してくれ、目の前に差し出されたご飯に子猫はガツッと食らいつき、獣医師からは「生きる気力があるね」と言われたそう。まくまくさんは、ついさっき「死んでしまいそうです!」と言ってしまった手前、なんとも言えない気分になったといいます(笑)。
猫を飼ったことがなかったまくまくさんは、いきなり怪我をした子猫のお世話という、かなりハードルの高い“任務”に当たることになりました。薬はご飯に混ぜればいいので、さほど難しくはありませんでした。しかし、子猫の前足が立たないので、まくまくさんは床にうずくまって土下座するような体勢で支え、ご家族がご飯をあげるという2人体制という大掛かりなもの。 子猫は威勢がよく、後ろ足で前進しようとしたり、身体をねじったりするのです。(けがをしていることを考えれば喜ばしいこと!?)
朝・昼・晩と家族全員で協力し合い、なんとかご飯をあげていましたが、まくまくさんは連日の無理な体勢により腰を痛め、床を這いながら移動して夜中にご飯をあげることもあったといいます。
排泄については、保護した当時からちゃんと自分でできてはいたのですが、うんちまみれになってしまうことも多く、暴れる子猫を必死にきれいに拭いていたのだとか。けがをしているため、お風呂には入れられませんでした。
家族一丸となってこんなに一生懸命お世話をしてきましたが、実はまくまくさん、猫アレルギーなのです。元気になったら里親さんを探そうと思い、お世話をしながらSNSで里親さんの募集をかけていました。
名前入りの診察券を見た瞬間に芽生えた「飼い主」と「うちのコ」の自覚
それから毎日、病院に足を運びました。子猫はずっとぐったりと寝ており、食欲もなく、心配する日々が続きました。しかし、なんとか持ちこたえ、晴れて退院できることになりました。もう、その時には子猫はまくまくさんにとって失えない家族になっていました。
最初は「飼わない」予定だったので紙きれだった診察券が、「飼う」ことを病院に伝えてから、カードの診察券になりました。まくまくさんは、「さくら」と名前が記された診察券を見て、「このコはうちのコだ!」と思ったそうです。
以前飼っていたうさぎも同じカードを持っており、うさぎが作ってもらった時は特に意識はしませんでした。なぜなら、病院に行く前から「うちのコ」であり、当たり前のことだったから。
でも、さくらちゃんにとっては「その当たり前が今までなかったんだ」とまくまくさんは気付かされます。「カードができたらなんだかハッとしました。うちのコとして地に足が着いたというような。名字も付いて、戸籍のように見えたのかもしれません」と振り返ります。
退院後、また一から築いたさくらちゃんとの関係
入院前はまくまくさんに懐きつつあったさくらちゃんは、なんと入院中にすっかりまくまくさんとの生活を忘れてしまい、退院後は「誰、アンタ?」という態度だったそうです(涙)。
しかし、遊んであげると楽しそうで、かと言ってそれがまくまくさんに「懐いている」のか、実感が湧くまでにはしばらく時間がかかりました。それでもいつからか、「さくらは私のこと、大好きだろう」と思えるようになったといいます。
冬はくっついてきて、一緒に寝ています。さくらちゃんがまくまくさんで「暖を取ってる説」もありますが、「大好きだからくっついているに違いない」と思うことにしているとか(笑)。
今では家族の中でさくらちゃんがすっかり中心になっており、網戸が破れては危険だからと補強し、障子を破かれては貼り替え、押入れの中の断捨離をしてさくらちゃんの遊び場にするなど、まくまくさん曰く、「甘やかしすぎた気がすごくします」とのこと。
さくらちゃんはリラックスを通り越して、自由奔放にわがままいっぱいに過ごしているそうです。
以前、猫に触れてかぶれるという大変な経験をしたまくまくさんですが、幸いにもさくらちゃんに対して猫アレルギーは出ていないといいます。これからも思う存分、スキンシップが取れそうですね!
Instagram(@maku1019)
取材・文/賀来 比呂美
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