猫が好き
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車のエンジンルームの中から、生後約2週齢の子猫を保護。「命があったことが奇跡」だった出会いとは
こぐまくんとは、どのようにして出会ったのか——飼い主さんに話を聞きました。
車のエンジンルームの中から、子猫の鳴き声が
そして、車の持ち主にお願いをしてボンネットを開けてもらい、まだ熱いエンジンルームの隙間に手を入れて、どうにか子猫を救出したといいます。そこにいたのは、手のひらサイズほどの小さな黒い子猫。それが、こぐまくんでした。
「その後、車の持ち主さんに近くの動物病院まで乗せてもらい、すぐにお医者さんに診てもらえました。車の持ち主さんの話によると、移動する前にいた場所で同じ大きさぐらいの別の子猫を抱いている人を見かけていたそうで、そこから車を2キロほど走らせてこぐまを保護した場所まで来たようです。
おそらく、同じところにいた“きょうだい猫”と思われる子猫はその場で別の方に拾われて、私たちが保護したこぐまは車のエンジンルームに入ったまま車で移動してきたのかなと。こぐまの命があったことが、本当に奇跡だと思っています」
こぐまくんを引き取ることが難しい状況だったけれど、お世話をするなかでお迎えを決意
保護当時一緒にいた友人も、難病を抱えている犬と暮らしているため、どちらもこぐまくんを引き取るのが難しい状況でした。保護してからしばらくの間は、動物病院で働いていた経験のある猫に詳しい友人に、こぐまくんを預かってもらうことになったといいます。
「よちよち歩きから走れるようなったり、体も大きくなっていくこぐまの姿を見ていて、もう少し見守りたいという気持ちになったんです。大家さんに再度了承を得て、ワクチン接種と感染病検査が終わって里親が見つかるまで、しばらくこぐまを預かることになりました。
その後、里親を探しつつもこぐまと過ごしていくうちに、たったひとりで生き延びてここに来てくれたご縁のありがたみを感じ、母猫もきょうだい猫もいないこぐまの家族になってあげたいと思うようになり、『私がこのままずっと育てよう』と思ったんです。
私は猫アレルギーだったはずですが、最初少し反応があったものの、毎日こぐまを“吸って”も大きな症状はありませんでした。猫アレルギーの問題もクリアし、事情を知った大家さんも特別にこぐまの飼育を許可してくださったことから、こぐまを正式にお迎えすることになりました」
「超絶甘えん坊なコ」に成長中のこぐまくん。成長を実感する毎日
そのなかでも、特に印象に残っている成長エピソードがあるそうです。
「誰が教えたわけでもないのに、こぐまは初めての砂トイレや爪研ぎを秒で把握して、使いこなしていました。その姿を見たときは、『ひとりでちゃんとできてえらいね』と感動したことを覚えています。
最近は、名前を呼ぶと返事をして寄ってきてくれるのも嬉しい成長だなぁと感じています」
また、こぐまくんは「犬っぽいところ」があるらしく、とってこい遊びが好きだったり、顔をなめたりしてくることもあるのだそう。飼い主さんは、無邪気なこぐまくんの可愛さに日々癒されていると話します。
こぐまくんとの出会いを振り返り、いま思うことは
こぐまくんとの出会いを振り返りどのようなことを思うのか聞くと、飼い主さんは次のように思いを話しています。
「私は心の病気があったのですが、こぐまに癒されてすごく良くなりました。私の父も更年期うつだと言っていたのに、こぐまに会いにくるようになって症状が改善されたようです。
私と父は、『こぐまを助けたはずが、こぐまが私たちを助けに来てくれたのかもね』なんてよく話しています」
「こぐまがたったひとりで車に乗って生きて会いにきてくれた奇跡を忘れずに、これからもこぐまにたくさんの愛情を注いでいきたいです。
こぐまにとっても私にとっても、毎日が楽しくて穏やかなものになるように過ごしていきたいです」
※この記事は投稿者さまにご了承をいただいたうえで制作しています。
取材・文/雨宮カイ
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