猫が好き
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雪にまみれ必死に歩いて来た猫 被毛が固まり皮膚から出血も 2年後の幸せな姿に感涙
投稿したのは、飼い主の@tanu_tyanさん。
猫を保護するまでの半年間には、紆余曲折がありました。当時の状況や現在の様子について、飼い主さんに詳しいお話を伺いました。
■突然、庭に現れた長毛種の猫 一時保護からお迎えに至った経緯とは?
たぬくんが飼い主さんの前に姿を現したのは、2020年秋のこと。保護に至る半年前でした。突然、家の庭先にふらっと現れ、すぐに立ち去りました。その後も、たぬくんは庭にやって来て日向ぼっこをしたり、近所を歩いているところを見かけて「あ、珍しい“ロン毛”の猫ちゃんだ!」と思ったりしながら様子を見守っていた飼い主さん。しばらくして、だんだんと季節が冬に近づいて来たところで、たぬくんを一時保護することを決めます。
飼い主さん:
「秋から冬にかけて、何度も外を歩いている姿を見かけました。この地域は、冬の間、雪が積もりっぱなしになるので『どこかの家から脱走した猫ちゃんだったら大変だ』と思い、ひとまず、家に迎え入れることにしました。ところが、おやつで興味を引いても捕まえることができず……。最終的には、家の中に入ったすきに窓を閉めてようやく保護するに至りましたが、かなりの時間がかかりました」
飼い主さんにとって、猫と生活をともにするのは、たぬくんが初めて。しばらくして、飼い主さんは、猫の保護施設など、思い当たるところすべてに里親さんになってくれる人がいないか尋ねましたが見つかりませんでした。
飼い主さん:
「私は、ハムスターや金魚としか暮らしたことがなく、幼少期、猫と暮らしたことがある母から聞く程度の知識しか持ち合わせていませんでした。“飼い主さんが見つかるまでの一時保護”というつもりでたぬを迎え入れましたが、里親探しが難航。家族で『うちの子にしてもいいけれど、最期、お別れするのは辛いよ、どうする?』と何度も話し合いました。そして、『ここでバイバイすることはできない』という結論に至り、正式に家族としてお迎えすることを決めました」
■外での暮らしで体はボロボロに… 今でも“怖がり”なたぬくん
ところが、外で過酷な生活を送っていたたぬくんの体には、大きなダメージが。被毛は絡まり、砂やゴミが固まって亀の甲羅のような状態なっていました。たぬくん自身もそれが気になるのか、引っ掻いて、皮膚から出血してしまったため、飼い主さんはすぐにたぬくんを連れて動物病院を受診しました。
飼い主さん:
「先生の見立てでは、推定年齢3歳くらいとのことでした。全身麻酔をして、健康チェック、固まっている毛の毛刈り、そして去勢を完了。こうした体のケアのほかに、当時、大変だったのは、とにかく四六時中、鳴き続けている状態だったことです。夜中に『外に出たい』や『ねこじゃらしで遊んで』と朝昼晩を問わず、よく鳴いていました」
飼い主さん:
「玄関のチャイム、電話の着信音、地震なども苦手で、家中を駆け回って部屋のすみに隠れます。これほど怖がりなのに、どうして人間が住んでいる家の庭に遊びに来たのか、いまだに謎です」
■たぬくんをお迎えしてお父さんに変化が! “ふたり”の触れ合いにキュン
飼い主さん:
「父は、子どもの頃、猫に噛まれた経験があるので『猫は好きじゃないし、触りたくない』と、たぬを迎えてからしばらくは距離を取っていました。ところが、しばらくして誰もいないところで『たぬー、お前はとにかくかわいいやつだなー』と撫でているのを偶然見かけて、めちゃくちゃ笑ってしまいました」
たぬくんは、ときどき、窓の外をじっと見つめていることがあるそう。そんな姿を見ると、飼い主さんは胸がぎゅっと締め付けられるような気持ちになるといいます。
飼い主さん:
「たぬに『うちに来て良かった?外にいた方が良かったかな?』と聞きたくなることがあります。でも、お外でいろいろな危険にさらされるより『家であったかく幸せにしてあげるよ』という気持ちのほうが強いです。たぬには申し訳ないのですが、お外に出ることは我慢してもらっています」
飼い主さん:
「もふもふが同じ空間にいて、トコトコしたり、スヤスヤしてるのを“チラ見”する毎日は、“語彙力ゼロ”になるほどたまらなく幸せですよ」
@tanu_tyanさんのXでは、天使のようなたぬくんの寝顔など、普段の様子をたくさん見ることができますよ。これからも優しい飼い主さん家族に見守られながら、幸せな日々を過ごしてほしいですね。
取材・文/佐東みかん
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