「目と目で通じ合う」というように、目は口ほどにものを語ります。これは猫も同じ!何気ない目の使い方に、そのときの猫の心情が表れているんです。ぱっちりお目目で見つめたり、目が合ったら視線を外したり……いろいろな目づかいに表れる、猫の気持ちをご紹介します。
「楽しみ」「気持ちいい」など気分がいいときの目づかい
上目づかい
“上目づかい”になるときは、たいていは人の足元に来て見上げているときです。「フードをもらえそう」「遊んでもらえそう」など、期待に胸が膨らんでいることが多いため、目を見開いたぱっちりお目目になっています。
上目づかいは最初のうちは無意識におこなっていますが、「上目づかいをするといいことが起こる」と学習し、意識的にやるようになるそうです。
半目づかい
半分まぶたを閉じた状態の“半目づかい”。コミカルな表情で思わず笑ってしまいそうになりますが、これは気持ちがいいときの表情です。リラックスしていると体中の筋肉が緩み、まぶたも下がってしまうのです。このまま眠ってしまうこともしばしば……。
猫目づかい
瞳孔が縦に細長く閉じる“猫目づかい”。猫が安心して体の力が抜けると、瞳孔は縦に細長くなります。高いところから見下ろしているときも、優位な場所にいる安心感からこの表情をするようです。
また、周囲が明るいときにも、目に入る光の量を調節するために瞳孔を細くすることがあります。
興奮、緊張しているときの目づかい
黒目づかい
瞳孔がまん丸に開いている状態です。この“黒目づかい”のときは、なるべく多くの情報を取り入れる必要がある状況。獲物に見立てたものを狙って興奮しているときや、危険が迫って緊張しているときなどがあげられます。
また、周囲が暗いときにも瞳孔が開きます。
敵意がないことを知らせるための目づかい
瞬き目づかい
相手と目が合うと、一瞬目を閉じる“瞬き目づかい”。これは、「敵じゃないよね?」と確認するサインだといわれています。猫の世界では、相手の目をジッと見ることは敵意の表れ。そのため、飼い主さんや仲よしの猫と目が合ったときは瞬きをして「仲よしだよね?」と確認するようです。
それが転じて、飼い主さんに呼ばれたとき、返事をするように瞬きをする猫もいるのだとか。
そらし目づかい
相手と目が合ったときに目をそらす動作です。ジッと見てくる相手の敵意を打ち消すために、目をそらし「こちらはケンカをするつもりはないよ」と意思表示をしていると考えられます。
飼い主さんに怒られたときにそっぽを向くのも「ケンカをする気はないよ」という意思の表れのようです。
ケンカを売るときの目づかい
ワル目づかい
目を逆三角にして相手をにらみつける表情です。猫同士の縄張り争いなどで、ほかの猫にケンカを売るときに、この目づかいをして「そこをどけ」「ヤル気か?」と強気のアピールをします。あごをひき、おでこを見せてにらみつける様子は、急所である喉元を守る意味もあるそうです。
目づかいひとつとっても、猫のさまざまな心情が表れていておもしろいですね。
これからは目の使い方に着目して、愛猫とコミュニケーションをとってみてはいかがでしょうか?
参考/「ねこのきもち」2016年1月号『こんなに気持ちが表れる!上目、半目、猫目…なんと多彩なねこの目づかいコレクション』(監修:哺乳動物学者 川崎市環境影響評価審議会委員 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長 今泉忠明先生)
文/国井
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。