猫が飼い主さんになでられたところを、ペロペロなめることはありませんか? 飼い主さんからすると、「もしかして嫌だった?」と感じてしまうかもしれませんが、この行動には猫なりの理由があるのです! 本記事では、猫がなでられたところをペロペロなめる理由について解説します。
猫がなでられたところをペロペロなめる理由とは
猫が飼い主さんになでられたところをペロペロなめるのは、乱れた毛並みを元に戻すためです。つまり「毛づくろい」しているといえるでしょう。
きれい好きな猫は、飼い主さんからは気にならないような毛の乱れでも、違和感を覚えることがあります。なでているときに猫が気持ちよさそうにしていたのなら、嫌がっているわけではないので問題ありませんよ。
ちなみに、猫にとって毛づくろいは、とても重要な役割があります。ここからは、猫の毛づくろいについて詳しく見ていきましょう。
猫が毛づくろいするのは野生時代の名残
猫は起きている時間の30~50%を毛づくろいに費やしているといわれています。このように猫が頻繁に毛づくろいをするのは、なめることで体のニオイを消し、自分の居場所を敵に知られないようにしていた野生時代の名残です。
なお、毛づくろいで活躍する猫の舌のザラザラした突起は約300個あり、「糸状乳頭(しじょうにゅうとう)」と呼ばれています。これは野生時代に獲物の肉をそぎ取るために発達したもので、生後3ヵ月頃から生えてくることが多いようです。
毛づくろいで得られる効果とは
毛の流れを整える効果以外にも、毛づくろいは毛根や皮膚を刺激するため、血行促進効果やマッサージ効果などが得られます。また、毛にフワッと空気を含ませて断熱効果を高めたり、唾液の気化熱で体を冷やしたりするなど、体温調節効果も期待できるでしょう。
そのほか、毛づくろいがビタミン補給に役立つという説もあります。これは、被毛に日光が当たってできる「ビタミンD」を、毛づくろい中に摂取できるという考えによるもの。
猫にとって毛づくろいは、人が思うよりも奥深いもののようですね。
ここでは、猫が飼い主さんになでられたところをペロペロなめる理由と、毛づくろいの意味や効果についてご紹介しました。なでた場所を猫がなめる姿を見ると「せっかくなでたのに」と落ち込む飼い主さんもいるかもしれませんが、猫ならではの行動として見守ってあげてくださいね。
参考/「ねこのきもち」2018年2月号『よくする行動の謎にせまる!猫を解き明かす5つのN』(監修:哺乳動物学者 川崎市環境影響評価審議会委員 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長 今泉忠明先生)
文/pinoco
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。