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見逃さない!『誤飲誤食』をした可能性がある猫に見られる症状

猫の誤飲誤食は飼い主さんが日頃から注意してあげたいですが、飼い主さんの不在時などでは、誤飲誤食の瞬間を実際に見ることができない場合もあるでしょう。

本当に誤飲誤食をしたかわからず時間が経過し、明らかな異変が出た頃には時間が経ちすぎてしまう、というケースも。

この記事では、誤飲誤食をした可能性がある猫が見せる症状について、ねこのきもち獣医師相談室の獣医師が解説します。

誤飲誤食をした可能性がある猫が見せる症状は?

寝そべる猫
getty
——誤飲誤食をした可能性がある猫には、どのような異変が見られますか?
ねこのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「誤飲誤食後の猫の行動や症状は、その誤飲誤食した異物の性質や、その異物が消化管に閉塞したかによって大きく異なります」

体に吸収される成分を含んでいるものを誤飲誤食したときの症状は?

眠る猫
getty
獣医師:
「たとえば、植物や食品、洗剤や消毒液、人用のサプリや薬剤など、誤って食べた際に体に吸収される成分を含んでいるものの場合、その成分によって中毒を起こすことがあります。

その場合は、その中毒物質の性質に応じ、消化器症状や神経症状、血液の異常や内臓の損傷などさまざまなことが起こるので、それに応じたさまざまな症状が現れます」
——具体的に、どのような症状が現れることが多いのでしょうか?
獣医師:
「比較的多く見られるのは…

  • 嘔吐・下痢などの消化器症状
  • 明らかな元気のなさや、過剰な興奮などの行動の変化
などが挙げられます。

なお、中毒を起こす異物の摂取後に実際の症状が現れるまでの時間には、ばらつきがあります。比較的すぐに症状が現れるケースだけでなく、半日以上経過してから症状が出るケースや、数日間かけて徐々に症状が悪化していくケースなどもあります」

体で消化も吸収もされない異物を誤飲誤食した場合の症状は?

眠る猫
getty
獣医師:
「たとえば、猫用のおもちゃ、ボタンやイヤホンなどの小さなプラスチック製品、ビニール袋、布類など、異物が消化もされず体に吸収されないものの場合は、その異物が消化管に閉塞(詰まる)するかしないかで、症状がまったく異なります。

消化も吸収もされない異物の場合、異物がまだ胃にとどまっている間や、特に詰まることなく消化管内を移動して通過している間は、特に目立った症状は現れません。元気や食欲、排便の様子なども、普段と変わらないことがほとんどです。

ただし、その異物が消化管に詰まってしまうと、突然の頻回の嘔吐や少量頻回の下痢、および渋りなどの強い消化器症状を引き起こします。速やかに適切な手当てをしなければ、命にかかわります」

ひも状のものやボタン電池の誤飲誤食は、深刻な病状のリスクも

抱っこされる猫
getty
獣医師:
「また、猫の場合は、舌の構造の特徴から細い糸やひも状の長い異物を飲み込んでしまう事故が起こりやすい傾向があります。

こういったひも状の異物はただ詰まるだけでなく、消化管の断裂などさらに深刻な病状を起こすリスクが高まるので、注意が必要です。

さらにまれなケースとして、ボタン電池を誤食してしまった場合は、ボタン電池の性質上、消化管潰瘍や穿孔(穴が開く)などのリスクがありとても危険です。そのままにしておくとやはり命にかかわりますので、速やかな対応が求められます」

猫が誤飲誤食のあとに異変を見せたときの対応は?

診察を受ける猫
getty
——猫が誤飲誤食をした可能性があり、何らかの異変を見せているとき、飼い主さんはどのような対応をすべきですか?
獣医師:
愛猫の様子がすでにおかしいようなら、そのまま家で様子を見ることは決してせず、速やかに動物病院を受診しましょう。

また、誤飲誤食の場合、愛猫が何らかの異変を見せてからの対応では手遅れになる可能性も否定できません。

もしも誤飲誤食の現場を直接目撃したり、何かを食べた様子やイタズラしてかじった様子があったり、布やおもちゃなどの一部がなくなっているなど誤飲誤食の可能性を疑う様子に気づいた際には、愛猫の元気や体調に関わらず、すぐにかかりつけの動物病院に直接相談をし、指示を仰ぎましょう」

愛猫が誤飲誤食したものをわかる範囲で獣医師に伝えよう

診察を受ける猫
getty
獣医師:
「なお受診の際には、食べた可能性のあるものや噛みちぎった残りのもの、その成分の確認ができるパッケージなどを持参しましょう。獣医師に直接確認をしてもらうことで、その後の治療や処置の役に立つ場合があります。

誤食したものの持参がどうしても難しい場合にも、『何を』『いつ』『どのくらいの量』食べたのか、わかる範囲でできるだけ把握し、それを主治医に伝えることがとても大事です」
見つめる猫
getty
誤って口にした異物の種類によって、その後に見られる症状はさまざまです。場合によっては命にかかわることもあるので、飼い主さんの判断で様子見はしないようにしましょう。
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
取材・文/sorami
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